MEMORANDUM
2005年12月


◆ 「立東大通り」、これをなんと読むか? 「立東大・通り」 と読んで、さて立東という大学があっただろうかと考えた。立大も東大もあるけれど、立東大はないだろう。では、「立東・大通り」 と読むのだろうか?

◇ 国立市立東商店会は、国立市北3丁目地区を中心に存在する40数店舗をもって構成されており、国立駅と立川駅のちょうど中間に位置し立東(立川の東の地域の意味)大通りに面した商店街です。創立50年余を経ており、国立では最も古い商店会です。
www.k-shokyo.com/rittoh/

◆ これで「立東(りっとう)大通り」と読むことがわかったけれど、「国立市立東商店会」 というのがまたまた読むにくくはないか? 国立(くにたち)市を知らないひとは「国立・市立・東商店会」と読んでしまうかもしれないし、知っていても 「国立市立・東商店会」 と読んで、公立の商店会なんてものがあるのかと訝しがるかもしれない。そもそも、国立(くにたち)という地名がいかがわしい。

◇ 国立の地名は、大正15年にJR中央線の国分寺駅と立川駅の間に、新駅を設置する際に国分寺の「国」と立川の「立」を一文字づつ取って、「国立」と名付けたと言う。
名付けは、現・西武鉄道の祖「堤康二郎」と言われ、まだ山林地帯であった中央線南部一帯に、理想的な学園都市をつくるための開発が進められ、次第に整然とした街路が造られ現在に至っている。

www.keishicho.metro.tokyo.jp/8/tachikawa/top_right.htm

◆ 最近はやりの市町村合併でこんな地名がまたぞろ増えることだろう。

  市章

◆ あれこれ調べものをして、市の公式サイトをあちこち訪れたときに目についたのが、市のシンボルマーク。市章。

◇ 〔国立市〕 国立市のマークは、梅の花です。五弁の花びらをあしらったこの市章は、いろいろな意味をもっています。二重の外側は、「国」 のかまえを表し、内側は、「立」 と文教の 「文」 を示し、図案全体で世界五大州の意味も含んでいます。
www.city.kunitachi.tokyo.jp/~kikaku/01kikaku/01144/01144_1.html

◆ 世界五大州って、いったいなに? 国立市は世界制覇でも目論んでいたりするのか?

◇ 〔水海道市〕 水海道市の 「水と海」 の字を図案化したものです。中央の 「水」 は翼の形で市の発展を象徴し、外の円に波頭を描いて 「海」 を表し、力強く上に向かって伸びてゆくことをしめしています。
www.city.mitsukaido.ibaraki.jp/inform/intro/002.htm

◆ どうみても、セミが飛んでいるところではないだろうか? 波頭が目玉で。

◇ 〔札幌市〕 外側の六角模様は、六つの花、すなわち雪をもって北海道を象徴し、内側円形模様は 「札」 の字を表し、さらに○形全体をもって片仮名の 「ロ」 の字を兼ねています。中央の星型は北斗星にちなみ、北方の意を表すとともに片仮名の 「ホ」 の字をかたどっています。
www.city.sapporo.jp/city/aramashi/

◆ そんなに複雑な意味があったとは。謎解きじゃなんだから。

◇ 〔京都市〕 京都市の紋章は,昭和35年(1960年)1月1日に制定されたもので、「京」 の字を図案化したものに御所車を配し、金色と古都を現す紫色の2色を用いています。
www.city.kyoto.jp/koho/outline/logo.html

◆ 御所車! 紫も使えるし、古都はなにかと便利だな。

◇ 〔東京都〕 昭和18年の東京都制施行の際、東京市のマークを受け継いだもの。このマークは、市参事会員渡辺洪基が発案したといわれ、明治22年12月の東京市会で決定されました。紋章の意味は東京の発展を願い、太陽を中心に6方に光が放たれているさまを表し、日本の中心としての東京を象徴しています。
www.metro.tokyo.jp/PROFILE/mon.htm

◆ これが一番わかりやすい。

◆ いろいろな丸や三角や四角のあつまりに、説明を読んで納得したりしなかったり。

◆ ちょっと前の女湯の情景。たとえば、浅草蛇骨湯のコアラのマーチ。

◇ 髪はショートのチリチリパーマ。顔はすっぴん、なべて丸顔。眉薄く八の字。目小さい。お乳は小振りの滴型。ちょっと左右離れ気味だが、垂れ乳と称す程のボリュームはない。乳頭は色薄くこぢんまり、突起が低い (陥没かと思われる例多し)。尻は丸四角。写植で言うナールの趣。乾パンふたつ並べた景。ウエストが、ない。でも、膝から下が、秋刀魚のようにスリム。方々から寄せ集まったにしては、何故かくも如実に浅草体型が確立するのであろうか。オバチャンが一列に並んで、背中流しっこする様は、コアラのマーチさながらだ。ぱくり一口に頬張りたい位、愛くるしい。
杉浦日向子 『入浴の女王』 (講談社文庫,p.64)

◆ あるいは、早稲田美松浴場のいちご大福。

◇ 「おスモーがはじまるからはやくしなきゃ」 / 白髪、なで肩、色白の八十年配のおばあちゃんが、丈長ズロースをおろしながらつぶやく。ズロースの下には、またズロース。二枚重ねだ。背中はすこしまるいが、肌はすべすべで、仏像顔。いかにも清らかな老い方だ。チコリに似ている。 / でかぱんいっちょう、垂れ乳まるだしで、番台のおかみさんと、立ちのまま世間話している七十年配のばっちゃは、いちご大福に似ている。笑顔が赤ちゃんだ。
Ibid., p.220

◆ これまでアエテ年配の女性の裸体を想像しようとしたことはない。でも、コアラのマーチにいちご大福。案外イケルかも。年をとったということか。

◆ 12月1日、茨城県水海道市。いかにも元はガソリンスタンドでござい、といった場所に天下一品水海道店があった (通過した)。こんなところにも天一が、といささか驚いた。天下一品とは、知る人ぞ知る(=知らない人は知らない)京都のラーメン屋。しらない間に全国展開し、いまでは北は盛岡から南は博多まで全国に全国に200店舗以上。おまけにホノルル店まであるという。いつの間に・・・。

◇ 「東京で京風ラーメン言うけどなあ、なーんやあれー。おだしの効いた薄口スープに細い麺。あんなん、京都じゃ犬も食わへん。ホンマの京都のラーメンたら、透き通ったスープは邪道やね」
杉浦日向子 『入浴の女王』 (講談社文庫,p.54)

◆ 『入浴の女王』 の杉浦日向子も、知り合いの編集者に連れられて天下一品に行ったそうな。

◇ ホンマの京都のラーメンは、とんこつとも違う、こってりゲル状の、箸が立つ濃厚スープとちりちり麺じゃない、だらだら麺(東京のやわらかめが京都ではかため)で、刷汁と麺の硬さが同じ塩梅で 「ゲロしたラーメン」 (京都人のオスギが言うのだ)が京風なのだと言う。
Ibid.

◆ まさしく、その通り。京都をなめてはいけない。

◇ 京風ラーメンは京懐石を意識した薄味のラーメンで、京都市内では観光客向けの店でみられるほかはほとんど見られない。
www.ht-net21.ne.jp/~terasawa/ramenclub_kinki.htm

◇ ところで、関東の店によく 「京風ラーメン」 なんて言うメニューがありますが。あっさり薄味のラーメンのことを指してそう言っているみたいなんですけどね。その 「京風ラーメン」 なるものに対して、とりあえず一言。「こんなラーメン、京都にないぞ」 (笑)。京都のラーメンと言えば、天下一品と言い第一旭(京都なのか?)と言い日本一ラーメンと言い、こってりこてこてのラーメンばかりなんですけど……ねぇ。(^^; どうも京都の雰囲気への幻想がラーメンの味・名前に現れているような気がしてならないです(笑)。
www.trpg.net/ML/kataribe-ml/16500/16588.html

◇ 誰が始めたか知らないが薄味の京風ラーメンというものがある。これなんか 「だし」 にこだわる文化のイメージをデフォルメしたものだ。現実は本場の味は強烈だ。わかりやすい例では、こってりラーメンの天下一品は京都が発祥の地だ。京都が学生の町だったからこってりしたとの異説もあるが、私は「だし」にこだわる文化の一つの現れと解釈している。食べ方は大阪のお好み焼きと同じでおかずとしてで、「ラーメン」 と注文すると間違いなく 「兄ちゃんご飯は?」 と聞かれる。
www.ne.jp/asahi/mensei/udon/kyoto.html

◆ 京大にもいたことがある東大の先生もこう書いている。

◇ 天下一品といっても、関西以外に住む人にとっては、何のことだかわからないに違いない。天下一品とは、京都を発祥の地とするラーメン屋のチェーン店のことで、京都では 「ぎょうざの王将」 と並び称せされるくらいに有名であり、その天下一品のラーメンこそが、本当の京風ラーメンと呼ぶべきものである。俗に京風ラーメンと呼ばれているアッサリしたラーメンがあるが、あんなものは観光客のための食べ物でしかない。本当の京風ラーメンとは、店ができた頃から煮込み続けたとしか思えないような、ギトギトの油ぎった何が入っているのか見当さえつかない豚骨スープのラーメンであり、しかも、チャーシューが鉢一面を麺が見なくなるくらいに覆っていて、その上、ニンニクまで入っている、というしろものなのである。もちろん、ラーメンだけを食べることは少なく、油ぎった鳥の空揚げか、少なくとも、ぎょうざを注文して、ライスと一緒に食べる。
nicosia.is.s.u-tokyo.ac.jp/pub/essay/hagiya/h/kyoto

◆ ちなみに天下一品のスープは豚骨ではなく鶏ガラ。天下一品については 《超弩級らーめん・天下一品》 にかなり詳しい。ぜひ一読を。

◆ 犬を飼っているお宅に行くと、つい名前を聞いてしまう。この犬はシロ。写真では、光線の加減であまり白く見えないけれど、ベースは白といった感じで、子犬のころはもっと白かったかもしれない。少なくとも、クロではない。

◇ (余談だが、ウチの愛犬は黒い雑種の雌で名は 「クロ」。予防接種時、獣医に 「黒いからクロなんて安直すぎる。もっと愛情を持って考えてあげて」 と叱られた。大きなお世話。初対面にまず 「クロちゃん」 と呼ばれるから、なまじヴァネッサだのナスターシャだの付けたところで無駄じゃないか)
杉浦日向子 『入浴の女王』 (講談社文庫,p.50)

◆ まったくである。もしかして、この獣医は犬の名前と飼い主の愛情の相関関係についてのキチンとしたデータでももっていたりしたのだろうか? あるいは、経験則で、クロという犬の飼い主は愛情が足りないとか? でもやっぱり、犬は、シロ、クロ、タロ、コロがいいなあ。さすがにゲロやエロはまずいだろうけど、雑種の犬にエミリーやらキャサリンやらと名づけても、本人(犬)はだれのことかと思って頭を悩ませるに違いない。逆に、血統書が歩いているような犬にコロでは、本人(犬)がむくれて返事もしないだろう。

◆ コロ、クロ、エリー。これは高校のときに仲のよかった女の子が飼っていた犬の名前(もちろん男で飼ってたやつもいたもいただろうが、まったく記憶にない)。で、コロとクロとは仲なくなれたが、エリーとは相性が悪く、いつも吠えられ、一度は咬まれた。

◆ ジャパンケンネルクラブというところが、ご親切にも、《犬名リスト》 なるものを用意している。

◇ 子犬の名前を考えるのは楽しいものですが、結構頭を悩ませてしまうことも多いでしょう。下のボタンをクリックすると、犬名をつける上で参考になる代表的な犬の名前をオス・メス別にご覧いただけます。どうぞご活用ください。
www.jkc.or.jp/kenmei/index.html

◆ これはアルファベット順に並んでいて、メスのAをのぞいてみると、アビス・アビ-・アビゲイル・アカシア・アクセサリ-・アクティ-アン・アクトレス・アデラ・アデルグンド・アデルハイト・・・・・・・・・アタマガイタイ。

◆ 最近パソコンの調子がおかしい。すぐ青い画面になって、止まってしまう。白い文字で 「A problem has been detected and Windows has been shut down to prevent damage to your computer‏」 とかなんとか。これがいわゆるブルースクリーン。英語で 「Blue Screen Of Death」、略して 「BSOD」 というらしい。なぜ略するのかは知らない。死の青い画面。ちょっと怖い。

◇ One of the most feared colors in the NT world is blue. The infamous Blue Screen of Death (BSOD) will pop up on an NT system whenever something has gone terribly wrong.
www.sysinternals.com/Utilities/BlueScreen.html

◇ Abbreviated BSOD, an error that can appear on computers running in a Windows environment. This includes even the earliest versions of Windows, such as Windows 3.0 and 3.1, and still occurs in later versions such as Microsoft Windows 95, Windows 98, Windows NT, and Windows 2000. Jokingly called the blue screen of death because when the error occurs, the screen turns blue, and the computer almost always freezes and requires rebooting.
www.webopedia.com/TERM/B/blue_screen_of_death.html

◇ If you have used Windows XP, 2000 or NT for any length of time at all, you are probably familiar with what is fondly referred to as "The Blue Screen of Death," or BSOD for short. Other versions of Windows (ME/98/95) also display errors on a blue background, but that is different (and often much less helpful) than the Blue Screen discussed in this article. The technical term for Blue Screen phenomenon is the "stop screen." It appears (with a blue background) when something has gone very wrong with your Windows XP/2000/NT machine. If you are fortunate, you may be able to simply cold boot, and pray the screen doesn't come back. It is more likely however, that there is a real problem that needs to be fixed, and the screen will rear its ugly head on a regular basis.
windows.about.com/od/performancetopics/l/aa030599.htm

◆ "rear its ugly head" = "(of something undesirable or unpleasant) to appear"、(イヤなことが)現れる、か。なるほど。でも元々は何の頭なんだろう? イヤ、英語の勉強をしている場合ではないのだった。

◆ 上の青いTシャツの画像はネットで拾ったもの。Tシャツには、白い文字で 「A fatal exception 0E has occured at....」 とかなんとか。致命的な例外エラー。これは、Windows XP より前の Windows (ME/98/95) に出現するブルースクリーン。それにしても、おっぱいがデカイ。

◆ 11月28日、船橋市本中山に 「ナイン」 というスナックがあった。で、唐突に、ナインというのも今では死語だろうなと思った。もちろん女性の胸のハナシである。

◇ 【ナイン】 ボインの反対語。Aカップ以下のサイズを指す、と思われる。「無いんです」 からきた言葉と想像・・・。恥じらいとしゃれを感じさせる単語だったが、貧乳などの下品な単語に取って代わられた。
www.gokuraku-net.org/1234/sakura_dic/dictionary.cgi?target=na1

◆ Aカップの下にまだブラジャーのサイズがあるのかどうかはよくしらなが、たしかに貧乳よりはましか。でもまあ、たいしたシャレではない。そもそもボインということばがなければ、ナインということばは生まれなかっただろう。

◇ 197年代初頭に大橋巨泉が日本テレビ 「11PM」 の中で、朝丘雪路の胸を指して 『ボインちゃん』 と命名した。その理由は 「ぼい~んとした感じ」 と言う曖昧な物だが、「何となく解る」 と言うことで一般に浸透していった。それに対して、漫才師の月亭可朝が 『嘆きのボイン』 と言う曲の中でバストの小さな女性の事を 「ナインちゃん」 と命名した。が、こちらは浸透せずに至っている。
tisen.jp/tisen/60/60919.html (《雑学大作戦:知泉》

◆ ん? ナインが世間に 「浸透」 しなかったとも思えないが、ネーミングの妙としてはもちろんボインの方に軍配が上がる。イメージが数段豊かな気がする。どちらにしても、

◇ 「ボイン」 という響きが死ぬほど懐かしい上に、「ナイン」 にいたっては完全に死語ですな。
zerodama.com/ura0/sugouta/sugo3.html

◆ いまの主流はまだ巨乳・貧乳なのだろうか。これも巨乳ということばが先に出来、対になることばを探すようにして、貧乳ということばが生まれたということなのだろう。時代ごとにキレイな対語の組み合わせができあがっている。

◇ デカパイ/ペチャパイ-ボイン/ナイン-Dカップ/Aカップ-巨乳/貧乳...こんなところにも時代の流れがあったりします(笑)。
sadanari.com/guestbook_9903.html

◆ でも、この対をほどいてみれば、ことばの響きとして、個人的にはボインとぺチャパイがいちばん好ましいように思えるが、いかが?

◇ 最近は胸の豊かな女性を 「巨乳」 っていうけど、なんか即物的なので、昔風の 「ボイン」 っていう言い方の方がすきだな~。(ちなみに、女性誌の着やせ特集とかでは、「大胸さん」 って書いてある)
goroieneko.exblog.jp/2975259/

◆ それにしても、いろんな言い方があるものだ。「大胸さん」 とは! 対語はやはり 「小胸さん」 ?

◇ 反対に胸の小さい女性を 「貧乳」 っていうのもかなり失礼よね~ 昔は(ボインに対して)「ナイン」 または 「ぺちゃぱい」 と言ったようです。…って、何わたし、おっぱいを語ってるんでしょう。
Ibid.

◆ ワタシもまた、なんでおっぱいを語ってるんでしょうか?

  島国

◆ 去年はスリランカに、今年は台湾に旅行した。考えてみると、どちらも島国である。また、機会があれば行きたいと思っているのが、サハリンだったり、マダガスカルだったり。これららも島国である。島国が好きなのかもしれない。《ウィキペディア:島の一覧(面積順)》 に、世界の島の面積順一覧表があって、見ていると飽きない。以下はその抜粋。

順位 島の名前 面積(km²) 所属国
1 グリーンランド 2,175,600 デンマークの自治領
4 マダガスカル島 587,041 マダガスカル
7 本州 227,414 日本
8 グレートブリテン島 219,000 イギリス
18 アイスランド島 102,828 アイスランド
20 アイルランド島 84,406 アイルランド、イギリス
21 北海道 78,073 日本
22 樺太 76,400 ロシア
25 スリランカ島 65,268 スリランカ
36 九州 36,555 日本
38 台湾島 35,801 中華民国
49 四国 18,780 日本
沖縄本島 1,206 日本
佐渡島 857 日本
礼文島 81 日本
父島 24 日本
ja.wikipedia.org/wiki/島の一覧%20(面積順)

◆ 順位外の小さな島は追加した。

◆ 最近はカカシを見ることも少なくなったから、あるいはカカシを漢字で書く必要もなかったから、という言い訳をまず書いておいて、じつは、この写真の看板を見て、はじめてワタシは、カカシが漢字で、「案内子」 ではなく 「案山子」 と書かれることに思い当たった。 「案山子」 を何と読むかと聞かれれば、カカシと答えることはできた。けれども、カカシを漢字で書けと言われれば、「案内子」 と書いていたに違いない。なんとなくそう思い込んでいた。

かかし (名) 案山子 〔赫(カカ)シ、ノ義ニテ、威ス意カト云〕 竹、藁ナドニテ、人ノ形ヲ作リ、蓑笠ヲ着セ、弓矢ナド持タシメタルモノ、田畑ノ間ニ立テテ、鳥獣ヲ怖(オド)シ、其害ヲ防グ。ヤマダノソホヅ。
大槻文彦 『言海』(ちくま学芸文庫,p.314)

◆ 「赫(カカ)シ」とあるのは、あるいは 「嚇シ」 の誤植かしらん、と思いつつ、語源にかかわると、時間がかかりそうなので、それは後回しにして、最後にカカシを見たのはいつだったろうか、ということをぼんやりと考えていたら・・・

◆ 記憶はスリランカにたどり着いた。シーギリアからの帰り道。周りはいつ象が出てきてもおかしくないようなジャングル(実際に出るらしい)。こんなところで野生の象に出会ったりしたら、それは運がいいことだろうか、それとも悪いことだろうか、などと考えていると、道沿いの民家に、象ではなくて、象よけの人形があるのが目についた。ざっと5、6メートルぐらいの樹の上に、小さな 「家」 がこしらえてあって、その中に、等身大以上の大きな人形が服を着、後ろを向いて立っている。ああ象向きのカカシだな、と思った。なにしろ相手は象である。アフリカ象ほど大きくないとはいえ、スリランカ象も象には違いないから、日本のカカシみたいにただ地面に立っていては、気づきもせずに踏み潰してしまうだろう。上から見下せば、象も少しは警戒するかもしれない。でも、ホントに効果があるのかなあ?

◆ スリランカのあと、日本で二度ほどカカシを見た憶えがあるが、アタマのなかのコンピューターはいまだに検索中。

◆ ポロンナルワの遺跡を巡っていたときに見かけた天然の有刺鉄線。のどかな遺跡の風景によく似合う 「立入禁止」。なんという植物の枝なのかはわからない。棘のある植物、バラと、それから・・・、ああ、サンショウぐらいしか思いつかないや。香港の高層ビルの建築現場で竹の足場が使われているを見たときも驚いたけれど、こちらはそれに比べるとほんの小さな驚きで・・・。

◆ ネット検索をしていると、地方新聞のページに出くわすことが間々あって、そんなときにはちょっと旅行気分になったりもする(ワタシは旅行に行くと、その土地の新聞を買う習慣がある。なぜかは知らないが、天声人語を真似たようなコラム欄がどこの新聞にもあって、たいていは文章がこなれていない)。それはさておき、岩手日報の「風土計」というコラムより。

◇ 子どものころは、近所のあちこちに有刺鉄線が張り巡らされ、服は破くわ傷はつくるわ、いずれ恐怖の的だった。いわゆるばら線だ。〔中略〕 最近、市街地では特に、ばら線を目にすることもなくなった。当時の子どもは、何がなくてもばら線の向こう側だから面白そう-という発想だったと思う。もしかしたら今は、危険性に加え、けがをした場合の補償など、いろいろ面倒な話があるのかもしれない。
www.iwate-np.co.jp/fudokei/f200510.htm

◆ ばら線。一度くらいは耳にしたような気もするが、ワタシの辞書には登録されていなかったようで、しばらく考えた。

◇ 有刺鉄線は他に「鬼針(おにはり)」、「犬釘」、「Barbed Wire」 とも呼ばれている。
ja.wikipedia.org/wiki/有刺鉄線

◆ ここには、「ばら線」の名はない。ばら線、バラ線、・・・ひょっとして、薔薇線?

◇ 母は某有名女子大に入れたくて、一応受かりましたが、塀に薔薇線張っているような学校にはあまり興味ありませんでした。
kisekinokaze.ameblo.jp/day-20050611.html

◆ “薔薇線” での検索結果があまりにも少ない(約300)ので、あるいは違うのかもしれないが、なんとなく納得してしまう。薔薇と有刺鉄線。そういえば、と突然思い出した。以前に有刺鉄線と薔薇の写真を撮ったこと。写真日記を見返すと、その写真には、「棘のあるもの」というタイトル。2004年1月23日、豊島区目白。

◆ 地下鉄の駅で、こんな広告を見た。公共広告機構というところが作成したらしい。

◇ 命は大切だ。命は大切に。そんなこと何千何万回言われるより 「あなたが大切だ」 誰かがそう言ってくれたらそれだけで生きていける。

◆ で、公共広告機構のサイトを見ると、「企画・制作 博報堂」 とあった。テレビやラジオでもこのCMを流しているらしいけれど、ウチにはテレビがないし、ラジオでも聞いたことがなかったので、これまで見聞したことがなかった。

◇ 命の大切さ。これまでのACのテーマの中でも最も根源的かつ大きいテーマだと思いました。この問題に今どうアプローチすれば救いや希望を見出せるのか、自問自答する日々が続きました。悩んだ末に出てきたのが「あなたが大切だ。」というシンプルなメッセージです。人間は誰しも関係性の中で生きています。それをまわりくどく表現するのではなく、静かな、しかし確かな心の叫びとしてずばりと表現する。メッセージを分かりやすく、ストレートに訴求していくことをテーマの基本としました
www.ad-c.or.jp/campaign/all/2005_8.html

◆ いつもながら広告会社の考えることはどうもよくわからない。サイトにあったCMムービーというのも見たけれども、ワタシには不気味な印象しか残らなかった。「命は大切だ」 というコトバと 「あなたが大切だ」 というコトバにそれほどの違いがあるとは思えない。

◆ 地下鉄の駅で見たこの広告のとなりが、たまたま 「人形町今半」 の広告だった。

◇ 命は大切だ。命は大切に。そんなこと何千何万回言われるより 「今夜、今半で、すき焼き食べようよ」

◆ そう言われたほうがずっと生きていけそうな気がする、そう考えるのはあまりに切実な問題を茶化していることになるだろうか?

◇ 死のうと思っていた。ことしの正月、よそから着物を一反もらった。お年玉としてである。着物の布地は麻であった。鼠色のこまかい縞目が織りこめられていた。これは夏に着る着物であろう。夏まで生きていようと思った。
太宰治 『葉』(www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/2288.html)

◆ しばらくパソコンが不調で、「死の青い画面」(BSOD)に悩まされ、延々と再起動。それでもラチが開かずに、疲れて(面倒になって)寝ちゃう日々。あれこれ対策を講じてみたものの原因はわからず。やけになって再インストールまでしたけれど、結果はかわらず。ああ、なにかのパーツが壊れたんだな、ということにやっと気がついて、2枚さしてあるメモリのうちの1枚をひっこ抜いてみたら、無事もとどおりに回復しました。もともと中古のメモリだから、しようがないか。というわけで、しばらく更新が滞っていましたが、もう大丈夫? 今度は、やっぱり新品を買ったほうがよさそうな。というわけで、メモリ。

♪ 君もみるだろうか「いちご白書」を
  二人だけのメモリー
  どこかでもう一度

  バンバン「『いちご白書』をもう一度」(作詞:荒井由実)

◆ この曲が発売されたのは1975(昭和50)年のことらしいから、ワタシはまだ小学生で、この「メモリー」というのを「目盛り」だと理解したとしても、いたしかたないところ。いや、こんな間違いもワタシひとりだけではなくって、

◇「二人だけのメモリー」も「二人だけの目盛」って・・・なんやこれ?くらいの、国語力だった。
blogs.yahoo.co.jp/tubameyo/5649363.html

◇「♪二人だけのメモリー」も「二人だけの目盛り」と思ってました。何なんでしょうね。二人だけの目盛りって。アホやん(^_^;。)
kukkuri.jpn.org/kakoboyaki/boyaki0301.html

◆ ワタシはね、「何なんでしょうね」って思うことすらなく、きっと背比べで柱に目盛りをつけるようなもんかな、って思ってましたです、こども心に。

♪ 柱のきずは おととしの 五月五日の 背くらべ
  「背くらべ」(作詞:海野厚,作曲:中山晋平)

◆ いまでは、こんなお宅も少なくなりましたね。

◆ 11月28日。この町名表示板を目にしたとき、???、「市川市■越2丁目8」 の 「■」 がとっさには読めなかった。行こうとしていたのは鬼越なのだから、ここが 「市川市鬼越2丁目8」 であることは百も承知のはずだったのだけれど、読めなかった。これではあまりに漢字の 「鬼」 の 「ム」 の部分が大きすぎやしないか?

◆ おともだちのおタネさんが、ネットで「火暴目垂」という文字に出くわし、その意味がわかるまでに少なからず時間がかかった、というハナシをいつかの日記に書いていて、自筆でもこういう字を書くひとがいるなあと思いつつ、漢字というのはバランスが肝心であることにいまさらながら思いあたった。ネットで見つけたのは、
「口十女市女未」 とか
「里予土反日召女口」 とか
「里予木寸シ少矢ロイ弋」 とか。自分で考えたのは、
「言羊糸田土也王里木既言侖己攵言丁片反」 とか。
見てると、ちょっと豆頁がクラクラしてくる。

◆ たぶん 「ひっこし」 の 「し」 は師ではないと思うので、師走だから走っているというわけでもなくて、走るのが仕事だから走っている。走ると12月でも汗をかく。汗をかくと12月でも気持ちがいい。休むと汗がすぐ冷えて、やっぱり12月の空気は身にしみる。だから、また走って体を温める。そんなことを繰り返して、今年もまた暮れてゆく。

◆ 25日、クリスマス。お母さんがひとり。娘は彼氏とスキーに行っちゃった。「クリスマスに引越するほうが悪い」 と言い残して。それもそうだな。引越先はエレベーターなしの階段5階。ワタシもスキーに行けばよかった。

◆ 部屋のなかはストーブで暖かい。でも、作業をしている側からすると、暑い。かなり暑い。だから、ときどきイジワルをして、「危ないので、ストーブ消しますよ」 と言って、消してしまう。風邪をひいたら、ゴメンナサイ。