MEMORANDUM

  コアラの入浴

◆ ちょっと前の女湯の情景。たとえば、浅草蛇骨湯のコアラのマーチ。

◇ 髪はショートのチリチリパーマ。顔はすっぴん、なべて丸顔。眉薄く八の字。目小さい。お乳は小振りの滴型。ちょっと左右離れ気味だが、垂れ乳と称す程のボリュームはない。乳頭は色薄くこぢんまり、突起が低い (陥没かと思われる例多し)。尻は丸四角。写植で言うナールの趣。乾パンふたつ並べた景。ウエストが、ない。でも、膝から下が、秋刀魚のようにスリム。方々から寄せ集まったにしては、何故かくも如実に浅草体型が確立するのであろうか。オバチャンが一列に並んで、背中流しっこする様は、コアラのマーチさながらだ。ぱくり一口に頬張りたい位、愛くるしい。
杉浦日向子 『入浴の女王』 (講談社文庫,p.64)

◆ あるいは、早稲田美松浴場のいちご大福。

◇ 「おスモーがはじまるからはやくしなきゃ」 / 白髪、なで肩、色白の八十年配のおばあちゃんが、丈長ズロースをおろしながらつぶやく。ズロースの下には、またズロース。二枚重ねだ。背中はすこしまるいが、肌はすべすべで、仏像顔。いかにも清らかな老い方だ。チコリに似ている。 / でかぱんいっちょう、垂れ乳まるだしで、番台のおかみさんと、立ちのまま世間話している七十年配のばっちゃは、いちご大福に似ている。笑顔が赤ちゃんだ。
Ibid., p.220

◆ これまでアエテ年配の女性の裸体を想像しようとしたことはない。でも、コアラのマーチにいちご大福。案外イケルかも。年をとったということか。

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