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◇ しかしなんという「生きんとする意志」であろう! 彼らは日光のなかでは交尾することを忘れない。おそらく枯死からはそう遠くない彼らが!
◆ 《Yahoo!知恵袋》にこんな質問。 ◇ ハエが交尾しながら飛んでます。腹が立つので殺しました。ハエの交尾の時間は何時間くらいですか。 ◆ なかなかあじわいのある質問で、ちょっと笑ってしまった。簡潔な3つの文をつなぐコトバがどこにもない。いくぶん詩のようでもある。質問者はハエの交尾の時間が知りたいらしいが、「どれくらいですか」でもなく「何分くらいですか」でもなく「何時間くらいですか」と書いてしまうのなぜだろう? 交尾しているハエを見ているうちに、その行為があまりに長く続くので、腹が立って殺してしまった、ということなのだろうか? この質問にたいする回答もまた興味深い。 ◇ ショウジョウバエ 20分 / ウリミバエ 10時間 / メスアカケバエ 2-3日 ◆ 20分、10時間、2~3日。なんというスケールの大きさだろう。たいていの人間はショウジョウバエなみだろうが、なかにはメスアカケバエ(Plecia nearctica)みたいなひともいるかもしれない。このメスアカケバエ、アメリカでは、lovebug、あるいは、honeymoon fly、telephonebug、kissybug、double-headedbug、などとも呼ばれていて、 ◇ Upon reaching maturity the lovebug spends almost the entirety of its remaining life copulating with its mate, hence its numerous romantic nicknames. The male and female attach themselves at the rear of the abdomen and remain that way at all times, even in flight. In fact, after mating, the male dies and is dragged around by the female until she lays her eggs. ◆ メスアカケバエの交尾時間の2~3日というのは、成虫になってからの寿命にほぼ等しくて、要するに、メスアカケバエにとって交尾というのは、かれらの「人生」そのものなのだった。じつは、honeymoon fly という別称から、人間だって、新婚のころだけは、メスアカケバエなみであるかもしれない、などとふざけたことを書こうと思っていたのだが、「even in flight」(飛んでいるときですら)つながっていなくてはならない宿命に思いをはせたりすると、もういけない、なんだか神聖なものに触れそうになって、あまり軽口もいえなくなる。ちょっとマジメになって、性と死はいつも隣り合わせなのだ、などと思ってしまう(これで冒頭の引用、梶井基次郎 『冬の蠅』につながるか?)。もうひとつ、メスアカケバエなみを目指した男のニュース記事も用意していたのだが、これもどう処理していいかわからなくなった。とりあえず、載せておく。 ◇ 〔日刊スポーツ:2009年2月28日7時40分〕 12時間連続でセックスし続けるセックスマラソンに挑んだ28歳の男性が“ゴール”後、死亡した。英サン紙の電子版が26日、報じた。モスクワの警察が発表したという。死亡した男性はロシア人機械技師のセルゲイ・ツガノフさん。女友達2人と「12時間連続でセックスをして2人を満足させ続けることができるかどうか」を賭け、「できる」ほうに4300ドル(40万8500円)を賭けたという。 / 2人を相手にするセックスマラソンでの完走を目指し、ツガノフさんはバイアグラを大量に服用して挑戦。薬の効果があったのか、挑戦に成功し、無事ゴールしたツガノフさんは、賭けに勝利した。しかし、数分後に心臓発作で倒れ、後に死亡したという。女性2人のうち1人のアリーナさんは「救急車を呼んだが、もう遅かった。救急隊は何もできなかった」と話している。 ◆ 以下、「英サン紙の電子版」から。 ◇ The women had bet mechanic Sergey Tuganov £3,000 that he wouldn't be able to satisfy them both non-stop for the half-day sex marathon. / But minutes after winning the wager, the randy 28-year-old dropped dead with a heart attack, revealed Moscow police. / One of the women, named only as Alina, said: "We called emergency services but it was too late, there was nothing they could do." ◆ ああ、これではメスアカケバエのオスそのものではないか! |
◇ You’re wearing odd socks! ◆ たとえば、これをどう訳せばよいか? てっとりばやくオンラインの英和辞典を引くと、 ◇ ・wear an odd pair of socks 左右不ぞろいの靴下をはく. ◇ ・wear odd socks 左右そろわない靴下をはいている. ◆ 「あなたは左右そろわない靴下をはいている!」。まあ、これでもいいけど、ちょっと説明的な表現。《教えて!goo》にこんな質問。「靴や靴下などが左右揃っていないのを一言で表すには。」 ◇ 友人が書いた童話を人形劇の脚本に翻案する手伝いをしています。ボランティアサークルで子供達の前で演じるのだそうです。さて、劇中で一人の男の子が靴下を左右違うものを履いていて、それを周りにからかわれる、というシーンがあるのですが「対になる物の左右の種類が違う」状態をひとことで言い表せる上手い表現が思いつかなくて困っています。友人の原作では「片***」と差別的表現になっているんですが、本人もこの言葉は使いたくないが他に思いつかなかったと言います。 ◆ 正直なところワタシも、まっさきに思いつくのが「片***」で、それ以外に思いつかないので、ワタシも困っている。カタチンバ。 ◇ もっとも、私の双子の息子は、あまり見てくれを気にしないようで、お互いにかたちんばではいています。(しかも、穴の空いたものを。) ◇ 今日も片っぽ網目に片っぽ水玉の、「かたちんば」でいそいそ出勤。職場で気付いて一日過ごすの巻でした(ー3ー;)ぶーーーー ◇ 寒い季節、赤ちゃんに靴下を履かせていたら、いつの間にかかたっぽ脱ぎ捨ててしまって、何処に行ったか分からなくなるんですよ。家には「かたちんば」の靴下が「ようけ」あります。涙 ◆ このカタチンバ、辞書にも登録されているし、とくに方言というわけでもないはずだが、 ◇ 『かたちんば』って言葉知ってますか? 方言ですょね(・∀・)!? うちの両親が使うんです。でも、兄も私も、一昨日初めて聞きました。私がソックスを右と左違うのを履いてしまってたんですね(゜▽゜) それを見た母が「靴下かたちんば履いてんぢゃん!(^_^;)」と… ◇ 靴下、左右別のを履いてきたらしい(^^ゞ かたちんばですー。あ、これは方言? ◆ 一般的にはあまり使われなくなってきたせいで、方言のように感じられるのだろう。全国各地の(私製)方言辞典にも登録されている。 ◇ 〔金沢の方言〕 かたちんば・・・片跛。片方だけ。不揃い。(差別用語) ◇ 〔十津川方言集〕 かたちんば 履物が片足ずつ違っていること ◇ 〔広島弁いろいろ〕 ★ かたちんば → 靴などペアものが互い違いの場合をいう ◇ 〔宮崎の方言・宮崎弁〕 かたちんば 両方揃っていない事 われが草履はかたちんば ◇ 〔東京にも方言〕 かたちんば 両方の寸法等が、合ってない。不揃い。 ◇ 〔佐渡弁大辞典〕 かたちんば 意味:双方の種類が異なる 用例:おめぇ靴下が かたちんば だぃねっか(キミ、靴下が左右で違う柄だよ) ◆ 方言なら、カタチンバ以外にも、多くの言葉があるだろう。 ◇ 〔札幌〕 あれー、またもビッコタッコだわ。我が家の男性群は白い木綿の靴下が多いので、ワンポイントのマークやら印なしやらで分けているんだけどね、それでも沢山洗濯して干した後は、取り入れた靴下を合わせるのにゆるくない(楽じゃない)。あら、同じだと思ったらまたもやカタチンバ。カタチンバ?さっき思ったのはビッコタッコだったしょや。カタビッコってのもあるな。 ◇ 〔相馬弁〕 びっこたっこ (二つで対になるものが)バラバラなこと。 「ほの靴、びっこたっこだべした」 訳:「その靴、右と左が違うじゃない」 ◇ 〔東北岩手の方言〕 びこたこ かたちんば、ちぐはぐ ◆ 先の《教えて!goo》の質問に、こんな回答があった。 ◇ 「なんだ、こいつの靴下【かたっぽ違い】でやんの」はどうでしょう? うち(地方の方言?)では、靴下の左右が違っていたりすることを「キャッチョ」といいますが、、、全国的には通じませんよね?(^^; ◆ 「キャッチョ」がどこらへんの言葉なのかも気になるが、「かたっぽ違い」ってのが、造語かもしれないが、なかなかセンスがよくて気にいった。 |
1.元気で働き、明るい家庭をつくりましょう。 ◆ とあるが、本文はどうでもいい。「市民憲章」でいちばんの(ただひとつの)楽しみである前文がここに記されていないのが残念。もしかしたら、裏に書いてあったのかもしれない。藤沢市ホームページで確認すると、 ◇ わたくしたち藤沢市民は、藤沢市を豊かな明るい美しい産業、文化、観光都市とするために、市民ひとりひとりが守るべき規範として、ここに市民憲章を定めます。 ◆ ああ、がっかり。つまらない。藤沢ならでは、という語句がひとつもない。藤沢くらいの都市なら、誇るべきものが具体的にたくさんあるだろうに。以前「北海道の市民憲章」の前文を一部列挙してみたことがあったが、今回は神奈川の市民憲章をちょっと見てみよう。ところが……、横浜市、川崎市、いずれも「未制定」。さらに逗子市、三浦市も「未制定」。市民憲章を制定しているところでも、藤沢市式の具体性に欠ける文言しかない前文をもつ都市が多くて、あまりおもしろくない。以下の「○○○市」はさてどこだろう? ◇ 私たち○○○市民は、めぐまれた自然と、文化や伝統を誇りとし、明るい街づくりのために、すべての英知をそそぐことを誓って、この憲章を定めます。 ◇ わたくしたちは、伝統に輝く○○○市民である誇りと、責任をもってこの憲章を守りましょう。 ◇ 自然と人間との健全な調和のとれた○○○市の輝かしい未来を目ざして、わたくしたちは、○○○市民としての自覚と誇りをもって、市民ひとりひとりのしあわせを願いながら、ここに市民憲章を定めます。 ◇ わたくしたち○○○市民は、恵まれた郷土の自然を生かし、先人の偉業を受けついで、このまちが緑豊かな明るく住みよい産業文化都市として、限りなく発展することを願い、市民としての誇りと自覚をもって、ここに市民憲章を定めます。 ◆ 上から、座間市、伊勢原市、大和市、南足柄市のものであるが、順番を変えてもなんの支障もなさそうだ。さらに、以下の「○○○市」はどこだろう? ◇ 私たちの○○○は、海と緑に恵まれた自然と世界に開かれた交流の歴史のもとで、魅力ある都市をめざし、常に新しいまちづくりに挑戦する気概を身につけてきました。 ◇ わたくしたち○○○市民は、丹沢の美しい自然のもとで、このまちの限りない発展に願いをこめ、ここに市民憲章を定めます。 ◇ ○○○は、海と山の美しい自然環境とゆたかな歴史的遺産をもつ古都であり、わたくしたち市民のふるさとです。 ◆ 上から、横須賀市、秦野市、鎌倉市。これらは「丹沢」「古都」など多少のヒントもあるので、わかるひともいるかもしれない。それでも、横須賀市と鎌倉市は「世界に開かれた交流の歴史」「ゆたかな歴史的遺産をもつ古都」以外の書きようがあるのではないか。「黒船」とか「大仏」とか。まあ、観光ガイドではないからしようがないけど、ワタシはやっぱりこんなのが好きだ。 ◇ わたくしたちは、黒潮おどる相模灘にのぞみ、梅の香におう天守閣をあおぐ「○○○」の市民です。 ◆ すぐにわかるよね? そうでもない? そう、これは小田原市。 |
◆ 同居していた彼と別れることになって引越をする。キャンディーズの「微笑がえし」は引越の歌だ。日通の引越のCMにも使われていたこともある(らしい)。 ♪ 春一番が掃除したてのサッシの窓に ほこりの渦を踊らせてます ◆ 引越屋としても、あじわい深い。机に本箱、タンスがないのは若いカップルだからだろう。そして、おそらく正式には結婚していなかったのだろう。家具が軽やかだ。離婚の引越は重い。気分も重いが、荷物も重い。「婚礼ダンス」はでかくて重いが、捨てるわけにはいかないので、ひとり暮らしの狭いアパートに無理やりいれる。その後は知らない。そういえば、離婚の引越の場合、家財道具をあらかた持っていくのは、(経験上)きまって女性のほうだ。 ◆ さいきんはクローゼット付きのマンション・アパートも増えてきたので、さいしょから婚礼ダンスを買わない(買ってもらわない)ひとも多い。引越屋としては、大助かりだ。でも、ちょっと物足りない気もする。戸建の建て替えのときには、ずいぶんと長くその場に鎮座していた婚礼ダンスを動かすと、うしろにはみごとに積み重なった綿ボコリ! 思わず、「これ、何年ものですか?」と尋ねてしまう。奥さんが笑う。黒い綿ボコリの家もあるが、白い綿ボコリの家もあって、それが数センチもの厚みになっているのを見ると、ちょっとした芸術品のようにきれいだ。つまむと、壊れずにつながったまま取れる。 ◆ ほとんど窓を閉め切ったままで暮らしているひとがいる。若いひとり暮らしの男に多い。狭い部屋で荷物が多いから、しかたがないのかもしれない。引越に行っても、薄暗く空気がよどんでいる。そんなときには、いのいちばんに、カーテンを開き、窓を開ける。風がさっと吹き込んで、「ほこりの渦」が踊る。気持ちがいい。 ◆ 「畳の色がそこだけ若いわ」というフレーズがいい。和室のある家もずいぶんと減った。この意味のわからない若いひとも増えているだろう。「畳の色がそこだけ青いわ」ならわかるだろうか? 《ガッツとトラ吉》という猫好きな方のブログに、「25年もの」のタンスの跡のついた畳の写真があった。そこだけ若くて青い。 ◆ 歌詞に戻って、「お引っ越しのお祝い返し」をする間もないくらいの短い期間で、畳ははたして変色するものだろうか? ◇ お引っ越しのお祝い返しも済まないうちに・・・なのに、机 本箱 運び出された荷物のあとは畳の色がそこだけ若いわ・・・って、ありえないでしょ? 何年も住んでいなくっちゃ、畳は変色しないですよね? それとも、お祝い返しを何年も忘れていたのかなぁ・・・?? ◆ 疑問に思うのも当然な気がするが、 ◇ ベッドとタンスを移動したら、畳にしっかりと日焼けの跡がついていました。引っ越して2ヶ月ちょっとでこんなにも跡が残るもんなんだなぁと、変に感心するやら驚くやら。 ◆ まあ、日当たりの問題なんだろう。 |
◆ ドリカムの「サンキュ.」のつづき。まったく知らなかったが、この歌詞の解釈をめぐって、「サンキュ論争」なるものがあったらしい。 ◇ この歌は、簡単に言えば失恋で傷ついた心が友人によって少しづつ解放されていくという歌なんですけれども、この友人というのは男なのか女なのか、ということで昔から「サンキュ論争」というのがあります(笑)。 ◇ ドリカムの「サンキュ」という歌はほとんどの方がご存知かと思いますが、あの歌詞について、『主人公が「サンキュ」と言っている話相手は、女友達なのか、男友達なのか。』という点について、私の周りで論議になっております。 「サンキュ」って曲があります。昔から大好きな曲なのですが、これも女性が主人公の別れの歌です。別れた直後の主人公が、寂しい時に一緒にいてくれた友達に感謝の気持ちを表している曲です。「何も聞かずに付き合ってくれてサンキュ」で始まるのですが、素朴な疑問。この友達って男?女?って事です。これって男性は男友達、女性は女友達って思うようです。男の立場のオイラとしては、当然男友達と思っていました。しかし歌詞をよく聞くと、どちらとも決めかねてしまいますね^^; ◇ いつから気になりはじめたのか思い出せないが、ドリカムの「サンキュ」という歌について、時々ぼくは若いひとたちにきいてみることがある。主人公のともだちを、男だと思うか女と思うかということだ。この歌を知っていそうな人にきくのだから、比較的若い人たちが多いのだがその中でも、ある年令帯を境にしてそれより年長の世代は「女の子でしょう」と言うが、下の世代は「男の子だと思う」と言う。 ◆ ワタシは、女の友達だと思うけどね。 |