◆ キャンディーズの「微笑がえし」は、綾瀬はるか主演の映画『おっぱいバレー』のBGMにもなっているらしいので、「おっぱい」のハナシでも書こうかと思ったが、その前にべつなことをもう少し。
♪ おかしくって 涙が出そう
キャンディーズ 「微笑がえし」(作詞:阿木燿子)
◆ このフレーズもあじわい深い。もちろん、テレビのお笑い番組を見て、あまりにおかしいので涙が出そう、ということではない。人間、笑いすぎても涙が出るし、タマネギを切っても涙が出るが、基本的に泣くのは悲しいときだろう。いっしょに暮らしてきた恋人と別れて引越すというのは、悲しい場面であることが多いだろう。ふたり「住みなれた部屋」には「青春の想い出」がたくさんつまっていて、引越をしながら、しみじみとする。そんな気分のときに、シャツで顔を拭いたり、鍵を逆さに差し込んだりする年下の彼のしぐさが、あまりに他愛なくて、ちょっと切なくなる。そんな感じだろうか?
◆ 別れの場面の泣き笑い。ドリカムの「サンキュ.」も似たような感じの歌だ。つき合っている彼と別れたその日、落ち込みそうでだれかに話を聞いてほしい気分のときに、親友が会いに来てくれてはげましてくれる。
♪ 「えらかったね」って あなたが言ってくれるから
ポロポロ弱い言葉 こぼれてきそうになる
「好きだったのにな」 言っちゃったあと 泣けてきた
また涙目のあなたを見て 笑って泣いた
「ちょっとカッコ悪いけど 髪切るならつきあうよ」なんて
笑っちゃったじゃない
Dreams Come True 「サンキュ.」(作詞:吉田美和,1995)
◆ (「また涙目のあなた」の「また」の意味がわかりにくいが、この親友は「季節外れの花火」の煙がしみて一度涙目になっている。)
◆ 笑ったり、泣いたり。泣いたり、笑ったり。ともだちもいっしょにふたりで。おかしくって、悲しくって。なんともいそがしい。