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◇ 関東地方は20日、南から湿った空気が流れ込み、久々の晴れ間が広がった。 // 気象庁によると、山梨県大月市の31・3度を最高に、東京都八王子市でも31・1度と真夏日となったほか、東京都心の大手町では午前中から気温が上昇、7月上旬並みの28・1度と、真夏並みの暑さとなった。 // 前日までのぐずついた天気の影響で、各地の湿度も、50%以上と高くなった。 // ただ、夕方には、寒気を伴った気圧の谷が通過し、埼玉県熊谷市で1時間の雨量が50ミリ、最大瞬間風速も27・9メートルを記録するなど、天候の移り変わりが激しい1日となった。 // (2006年5月20日20時54分 読売新聞) ◆ まったく20日は、へんな天気の一日だった。午後4時ごろ、あっという間に雲行きが怪しくなった。仕事の移動中のトラックのなか、思いついて、同乗の相棒ふたりに、「いまから何分後に雨が降り出すか賭けをしよう」 と言ったのだが、その2秒後にはポツリポツリと降り出してしまって、賭けどころではなくなってしまった。 ◆ トラックのなかにいるかぎりは、夕立も楽しいもので、突然降り出した雨はスコールになって、道行くひとをびしょ濡れにしてしまう。街中が右往左往している。ちょっとばかり 《楽しい雨の日》。雨宿りしてればすぐに止むだろう。寒くもないし、気持のいい雨だ。それにしても、台風並みの雨と風だった。信号待ちでトラックが揺れた。
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◆ こどものころ、家の近くに新幹線が通っているのが自慢だった。駅もないのに。それから、王(貞治)選手と誕生日が同じなのも自慢だった。 ◇ 王監督の66歳の誕生日にナインは勝利をプレゼントできなかった。それどころか、先発の寺原を筆頭に投手陣が総崩れで今季最多の14失点。 ◆ 運転免許の更新のついでに、献血をした。採血が終わって休憩していると、受付の五十ぐらいの男性職員がワタシの方へとやって来て、「もうすぐ誕生日ですね」 と言いながら、粗品をくれた。それから、 ◇ じつはわたしも同じ誕生日なんです。 ◆ とつけ加えた。おやおや。「では、王監督とおんなじですね」 とワタシが言うと、にっこり笑った。王監督と誕生日が同じひとは、みんなそのことがひそかな自慢なのだ。つくづく清原でなくてよかったと思う。 |
◆ ふたたびピーピー豆のハナシ。食べることもあるようだが、飲むこともあるらしい。カラスノエンドウ茶。 ◇ 何かを煮出して飲むといえば、紅茶・緑茶をはじめとして、いわゆるお茶がメジャーですが、割と何でもいい気がします。少し前まではミントを煮出して飲んでましたし、春先には大家さんが干したドクダミをくれるので、それを飲んでます。田舎ではカラスノエンドウみたいな植物を焙じて飲むことも多いです。林檎の皮でさえ、乾かせばお茶のような飲み方ができてしまいます。毒でさえなければ、乾かして焙じてしまえば、それなりに飲めるのではないかと。 ◆ 以下の引用は、萩の 「魚の干物などを売る店」 の店頭でのエピソード。 ◇ 店の女性たちは、おしゃべりの花を咲かせながら、店の前で何か植物を干している。この地ではピーピー豆と呼ぶそうだが、近づいてよく見るとカラスノエンドウだった。何に使うのか尋ねると、天日で乾燥させたあと、お茶のようにお湯を注いで飲むのだという。 ◆ で、ハナシは 「都会っ子」 に移る。ワタシにも似たようなエピソードがあったのを思い出した。ずいぶん前だが、いちど小笠原諸島の母島に行き、民宿に泊まったときのこと。長期滞在の工事関係者をのぞいて、ワタシのほかには観光客はだれもいなかった。二泊して、父島に戻る日の朝、出立しようとして、「お世話になりました」 と宿のおばさんにお礼を述べると、見たこともないなにか大きな植物を差し出す。サトウキビだった。 ◇ 「これ、どうやって食べるんですか?」 ◆ なるほど。都会っ子はなんにも知らない。宿を出て、サトウキビをかじりながら、港まで歩いた。たしかに甘かった。 |
◆ 献血に行ったら、受付のひとがワタシと同じ誕生日だった、というハナシを書いた。ワタシはこういう 「たまたま」 が大好きだ。とはいえ、自分自身に 「たまたま」 がそうそう起きるわけでもないから、そんなときには、他人の 「たまたま」 を読んだり聞いたりして満足する。 ◆ 司馬遼太郎がフランシスコ・ザビエルの足跡をたどって、出生地であるバスクを訪れたときのこと。ザビエルという名前は珍しいものだと思っていたが、そうではないことに気がつく。 ◇ 「スペインではざらにいますよ」 ◆ おやおや。この名前は 「ざらにいる」 そうだから、たいした 「たまたま」 ではないのかもしれないが、ギリシャでソクラテスさんに出会うほどには、びっくりしてもいいだろうか? あるいは、同じ本に、犬養道子から聞いたハナシとして、フランス・バスクの田舎町のバス停を・・・ ◇ 「降りたものの、カンドウさんの生家がどこにあるかなど見当もつかないし、ちょっと困った気になっていたら、むこうから老婦人が来たの」 ◆ ワタシの日々の生活にもこんな 「たまたま」 がたくさんあればいいなと思う。 |