MEMORANDUM

  都会っ子

◆ ふたたびピーピー豆のハナシ。食べることもあるようだが、飲むこともあるらしい。カラスノエンドウ茶。

◇ 何かを煮出して飲むといえば、紅茶・緑茶をはじめとして、いわゆるお茶がメジャーですが、割と何でもいい気がします。少し前まではミントを煮出して飲んでましたし、春先には大家さんが干したドクダミをくれるので、それを飲んでます。田舎ではカラスノエンドウみたいな植物を焙じて飲むことも多いです。林檎の皮でさえ、乾かせばお茶のような飲み方ができてしまいます。毒でさえなければ、乾かして焙じてしまえば、それなりに飲めるのではないかと。
plaza.rakuten.co.jp/misoji0802/diary/200605100000/

◆ 以下の引用は、萩の 「魚の干物などを売る店」 の店頭でのエピソード。

◇  店の女性たちは、おしゃべりの花を咲かせながら、店の前で何か植物を干している。この地ではピーピー豆と呼ぶそうだが、近づいてよく見るとカラスノエンドウだった。何に使うのか尋ねると、天日で乾燥させたあと、お茶のようにお湯を注いで飲むのだという。
 「それ、雑草でしょう。おいしいんですか?」
 と怪訝に思って訊いたら、笑われた。
 「都会っ子なんだねえ」

草野双人 『雑草にも名前がある』 (文春新書, p.63)

◆ で、ハナシは 「都会っ子」 に移る。ワタシにも似たようなエピソードがあったのを思い出した。ずいぶん前だが、いちど小笠原諸島の母島に行き、民宿に泊まったときのこと。長期滞在の工事関係者をのぞいて、ワタシのほかには観光客はだれもいなかった。二泊して、父島に戻る日の朝、出立しようとして、「お世話になりました」 と宿のおばさんにお礼を述べると、見たこともないなにか大きな植物を差し出す。サトウキビだった。

◇ 「これ、どうやって食べるんですか?」
 「都会っ子なんだねえ。ただかじればいいのよ」

◆ なるほど。都会っ子はなんにも知らない。宿を出て、サトウキビをかじりながら、港まで歩いた。たしかに甘かった。

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