MEMORANDUM

  なんという希望、なんという幸福

◆ 飽きもせずに、エスポワール(希望)という名のアパートを見つけるたびに写真を撮っている。ああ、こんなところにも希望があるのだなあ(あるのかなあ)、と思って撮っている。

◆ 希望の数にくらべると、幸福(ボヌール)の数はかなり少ない。理にかなっている気もする。いつだって、なにかを望むひとは多いけれど、その願いがかなうひとは、めっきり少なくなるだろうから。

◆ たまたま、希望のそばにある幸福を見つけた。ちょっと珍しい。さらにそのそばには星(エトワール)なんてのもあったが、まあ、これはどうでもいい。エスポワールやら、ボヌールやら、それらのアパートに住むひとたちは、おそらくそのコトバの意味さえ知らないだろうけれど、希望と幸福がこんなに近くにあるのなら、「希望という名のあなたをたずねて遠い国へとまた汽車にのる」(岸洋子)必要もない。手の届くところにひっそりと幸福は待っている。そんなことを考えていると、とつぜんの雨、大粒の雨。あっという間に、足元がずぶ濡れになる。靴のなかまでびしょびしょだ。ああ、なんという希望、なんという幸福!

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