◆ 『週刊文春』の今週号、JT提供の「喫煙室」に、落語家の立川談四楼が「純喫茶」というタイトルでコラムを書いている。 ◇ 純喫茶という名の喫茶店が見当たらない。新宿や池袋などターミナル駅周辺にはあったものだが、一様に小ジャレたカフェやゲーセンに様変わりしている。純喫茶という割にはコーヒーの味は大したことなかったが、前座仲間とよく入り浸った。そう、そこで青くさい芸論を戦わせたのだ。〔下線は筆者〕 ◆ 純喫茶が必ずしもコーヒー専門店というわけではないのだから、「コーヒーの味は大したことなかった」としても、それはしかたのないことだろう。もちろん、うまいに越したことはないが。 ◇ 〔Wikipedia:純喫茶〕 純喫茶(じゅんきっさ)とは、酒類を扱わない、純粋な喫茶店のこと。酒類を扱い、女給(ホステス)による接客を伴う「特殊喫茶」に対しての呼称。〔中略〕 1955年(昭和30年)頃~1975年(昭和50年)頃までは、「純喫茶」と名乗る喫茶店が各地に多数あったが、現在は死語に近い。 ◆ そういえば、中野重治のドッペリ小説『歌のわかれ』に出てくる「ブラジル」。名前からするとコーヒー専門店であるように思われるかもしれないが、この「カッフェー」は純喫茶ではない。登場人物のなかでコーヒーを飲んでいるものなどだれもいない。みな酒を飲んでいる。 ◇ 「よせ、よせ、落第の話なんか……」 ◆ もちろん、ちょびちょび「コーヒーを」飲むひともいないとはかぎらないが……。 |
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