MEMORANDUM

  鵠沼

◆ いつだって、ひまつぶしにはこと欠かない。

◆ 2月1日12時37分、藤沢市鵠沼橘。早めに客のアパートに着いたが、食事中で不在。小雨のなか辺りを散歩するも、これといって見るものはなし。だから、あれこれ考えた。鵠沼橘、べつに読めなくてもどうということはないが、くげぬまたちばな、と読む。

◆ たちばな。そういえば、京都の実家からほど遠くないところに橘という女子大学があった。・・・あった、のだが、いつのまにか(2005年4月かららしい)男女共学になり、京都橘大学と校名変更されていた。・・・のをいま知った。

◆ くげぬま。鵠沼をどうして 「くげぬま」 と読むのかというと、

◇ 「鵠沼」 は、かつて 「久久比奴末」 とも書かれ、「くぐいぬま」 と呼ばれたものが訛ったという説があります。「くぐい」 とはハクチョウの古称とされますから、白鳥の飛来した沼地というほどの意味でしょう。「鵠沼」 の語は、12世紀=平安末期の 「天養記」 に書かれたのが最初だとされます。
homepage3.nifty.com/kurobe56/k5/riyuu1.htm

◆ くぐいは白鳥のことであるというのがもっぱらの説で、オンライン辞書を見ても、

くぐい【鵠】 《「くくい」とも》 白鳥(はくちよう)の古名。
『大辞泉』(小学館)

◆ とある。けれども、くぐいをコウノトリ(鸛)だとする意見もあるようで、貝原益軒の 『大和本草』 (1709)によれば、

(ハクテウ) 鸛ヨリ形大ナリ。肉多ク、味好ク、性ツヨシ。別類ナシ。本草ヲ見ルニ、今ノ白鳥ト云鳥ハ鵠ナリ。然ルニ順和名ニ鵠ノ字、コフト訓シ、又、久々比(クヾヒ)ト訓ス。誤レリ。クヾヒトハコフノ事。コフハ鸛ナリ。鵠ニアラズ。鵠ハ白鳥ナリ。鵠ニカウノ音アル故、アヤマリテ鵠ヲコフトヨミ、クヾヒト訓セシナルヘシ。芥子ハカラシナルヲ、ケノ音故誤ツテケシトヨムカ如シ。鵠ノ字ヲ和名抄アヤマリテコウトヨミ、クヾヒト訓スルヲ、今ノ人見テ、クヽヒヲ白鳥ナリトヲモヘリ。クヽヒハ白鳥ニ非スコウナリ。
www.lib.nakamura-u.ac.jp/kaibara/yama/pdf/y15.pdf

◆ 原文に適宜句読点を施した。「事」の字は別の字体(に似た「古+又」)で書かれていたが、表示できないので改めた。性ツヨシ、とはなんだろう。精力がつくということだろか? ひまつぶしは尽きない。

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