MEMORANDUM

  じゃじゃまるくん

◆ 6月30日、千葉県山武郡大網白里町大網。郊外のコンビニの駐車場はとんでもなく広い。仕事途中に立ち寄ったコンビニの入口付近に犬が一匹寝そべっていた。あたりを見回すと、停まっているクルマはほかに一台。しかし、そのひとの飼い犬ではなさそうである。店内には中年の女性の店員さんがひとり。缶コーヒーを買って、その店員さんに尋ねてみた。

◇ 近所の犬ですか?

◆ その店員さんは、にこっと笑って、ひとこと。

◇ じゃじゃまるくん。

◆ 会話としては、ひどく舌足らずなように思えるかもしれないが、これで十分だった。「そうなのよ、おとなりのオウチで飼ってる犬で、じゃじゃまるって名前なの。放し飼いにしてるから、いつも、こっちに遊びに来てるの。かわいいでしょ?」というぐらいの内容を、たったひとことで言ってしまうとは、すごいひとである。支払いをすませ、外に出て、しばらくじゃじゃまるくんの相手をし、写真を撮り、そろそろ出発しようかとしたときに、もう一度店内のほうをのぞいてみると、さっきの店員さんがこちらを見て、ニコニコしている。軽く会釈をして、再び仕事に向かった。

◆ 名前を知ろうが知るまいが、その犬の愛らしさに変わりはないけれど、やっぱり名前がわかると親しみが増す。いつかまた近くに行くことがあったら、この広い駐車場のあるコンビニに寄ってみることにしよう。そうして、じゃじゃまるくんに会えるといい。

◆ コンビニの店員との会話については、以前べつのハナシを書いた(「トイレ、ありますか?」)。

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