MEMORANDUM

  際物屋

◆ 金物屋はだれでも知っているだろう。荒物屋は知らないひともいるかもしれない。では、際物屋はどうだろう?

きは-もの (名) 際物 其用ヰルベキ節節の際(キハ)に賣出ス商物。(雛祭ノ雛人形、盆祭ノ燈籠ノ類)
大槻文彦 『言海』 (ちくま学芸文庫,p.394)

◆ 6月23日、千葉県東金市東金。九十九里バス、八鶴湖入口の下には安崎際物店前の文字。ワタシはここで際物店なるものをはじめて目にしたのだった。ウチに帰ってから、「際物店」 で検索してみると、驚いたことに、この安崎際物店がトップに表示されている。

◇ 正・三・五月人形・盆提灯・花環専門店 創業明治元年
homepage2.nifty.com/yasuzakisosai/honten.html

◆ 続けてみていくと、小林際物店(千葉県千葉市)、田内際物店(千葉県柏市)、内海際物店(茨城県猿島郡境町)、小川際物店(千葉県山武郡九十九里町)、小林際物店(茨城県水戸市)、一瀬堂際物店(静岡県浜松市)・・・、どうも地域にかたよりがある。あるところにはあるし、ないところにはない。これ以上知ろうとすると、どうしても地域の歴史に首を突っ込む必要がある。面倒なのでやめておこう。もちろん際物店と屋号につかない際物屋さんも多いだろうし、取り扱う際物を一部に限定すれば、人形店、葬祭店などと名乗ることにもなるだろう。以下は東大阪市の株式会社清月人形のサイトから。

◇ 当社は、夏期、玩具花火を小売販売しています。人形屋が花火を扱う事に、疑問をお持ちの方も居られるかとは思いますが、これは、人形屋というものが、元来、際物屋であったことを思えば、説明がつきます。年末から正月にかけて破魔弓・羽子板を扱い、三五の節句ではお雛様・鎧兜、そして夏には花火を扱うというわけです。その時期に合ったものを商品とする際物屋は、人形屋の本来の姿であり、原点です。ゆえに当社は、開業以来、玩具花火の販売を続けてきました。
www.seigetsu-ningyo.co.jp/main/hanabi10.htm

◆ 以下は東京都台東区の有限会社木村由一商店のサイトから。

◇ 東京の下町、蔵前の手作り和凧専門店でございます。おひな様から鯉幟の季節に代わり店先には大小の鯉幟が泳いでいます。夏祭り・運動会用の白扇子・赤扇子日の丸扇子も用意しております。当店は際物屋と言われ、四季折々の商品を陳列致します。秋口には奴凧、正月飾り、春にはひな人形、ミニおひな様、鎧兜、鯉幟、夏は扇子・うちわ・提灯・ガラス細工・ 昔の懐かしいおもちゃも扱っております。
www.tako.shop-site.jp/

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