◆ (そうめんのハナシのつづき) そして、火曜日。火曜日は、車椅子の方の介助に行く日で、ワタシが食事をつくる唯一の曜日である。入浴と食事が主な仕事。その日は、すこし遅くに到着し、ゴハンを炊いてると時間がかかるというので、冷蔵庫になにかないかなと見てみると、あるではないの、ソーメンが! シイタケもあるし。今晩はこれしかないって感じ。あとは錦糸玉子つくって、薬味にネギとショウガ。梅干もあったんで、梅肉ってのもいいな、とこれも追加。まあ、こんなもんでいいか、と思ったんだけど(介助しているのは60過ぎの男性なので、あんまり食べない)、もう少し、具になりそうなものはないかな、と探すと、冷凍室にウナギの蒲焼があった。これも、刻んで・・・と。そしたら、 ◇ 「鰻と梅干は一緒に食べるもんじゃないよ」 ◆ おおお! そういえば、そんなハナシを聞いたことが。 ◇ 古くから「ウナギと梅干し」は食い合わせが悪く、下痢を起こすといわれてきた。なるほど、現在でも、うな丼やうな重のツケには、奈良漬や白菜漬があるが、梅干しはない。 ◆ そうだった、「食い合わせ」。あるいはすこし上品に「食べ合わせ」。「goo 辞書」によれば、 ◇ 【食い合(わ)せ】 一緒に食べると有害であると考えられている食べ物の組み合わせ。ウナギと梅干し、スイカと天ぷらなど。また、それを同時に食べること。食べ合わせ。 ◆ ほかにどんな「食い合わせ」があるかと思って、調べてみると、 ◇ 飛魚と南瓜とを食つて悶死す(大正十二年七月十四日中國新聞記事) ◆ なんてのが。この記事は 《くすりの博物館》 というサイトのなかの「もうひとつの学芸員室」というページの「見てみて! くすり広告」というコーナーのなかの「あけてなるほど豆知識」というところの「あかねさん」担当の箇所にある「キンビシ薬行」のチラシに引用されていたもので、「廣島市田中町バケツ修繕業」の48歳の男性が「近隣の大工職岡崎友太郎方へ家事の手傳いに赴き中食に飛魚とかぼちやを食し」たところ腹痛を覚え同町の「醫師その他に診て貰ったが同夜十二時頃悶死した」ということである。この「キンビシ」という薬のチラシには、「食い合わせ」の数々が絵入りで載っていておもしろい。「かにと氷」とか「かきとえび」とか「ふなとからし」とか「どぜうとかぼちや」とか・・・。 ◆ ウナギとウメボシで悶死してはかなわないな。でも、もう解凍しちゃったもんね。ソーメンにのっけるのは、やっぱり気がひけたので、やめたけど、もったいないから、両方(別々に?)食べました、ワタシだけ。でもでも、なあんともなかったよ! ◇ 昔からいわれているうなぎと梅干し! この食い合わせは実は迷信だったのです。食欲を増進する効果が梅干しにはあるので実は相性は良かったのです。 ◆ ほらね! ところで、ワタシが介助しているKさん、二日前もソーメンだったんだって。それを先に言ってくれなきゃ! (ソーメンのハナシ、おわり) |
このページの URL : | |
Trackback URL : |