◆ 一年に一度くらい、とんでもない客に遭遇し、とんでもない徒労感に包まれる日がある。そんな日は酔っ払って忘れることにしているが、ふたたびそんな客に出会ったときにまとめて思い出してしまって、イヤな気分になる。 ◆ 先日、客の衣類を収納したハンガーボックスを開けると、ハンガー (薄いプラスチック製) が3本、柄の部分から折れていて、そこにかかっていたスーツが底に落ちていた。すぐさま、シワになったのでクリーニング代よこせ、とこうである。放っておいてもすぐ折れそうな安物ハンガーにスーツなんか掛けるもんじゃないぞ。そもそも、シワなんてどこにあるんだい? とは口に出せないまま、「では当方でクリーニングいたします」 と云うと、不満そうである。要は現金がほしいということなんだろう。しかもこの客、転勤なので、引越代は会社持ち。いったい何を考えているのか? ◆ 一年前、スーツの客と同じ会社の転勤引越の客もそうだった。もともとキズだらけのタンスを指差して、こんなキズはなかった、新しいのに買い替えるから、代金よこせ、とヒステリックにどなった奥さん。修理します、と云っても聞く耳をもたない。もともと要らないタンスだったんだろう。粗大ゴミで儲けてどうする? ◆ この会社は大手の電気メーカーだ。偏見といえば偏見だろうが、大きな会社の客ほどタチが悪い。互いに引越で儲ける方法など、伝授し合っているのかもしれぬ。いつもそんなことを仕事にしてるんだろう。だが、われわれはあなたの奴隷ではない。 ◆ 三年前、電子ピアノの電源コードが見つからないと文句をつけてきた客がいた。それを梱包したのは自分たちなのに。娘が毎日弾いているものだから、なきゃ困る。即刻持って来い、と云うわりには、その電子ピアノはホコリだらけだった。しようがないので、自腹でコードを購入して、届けると、留守だったので、ポストに入れておいたら、また電話。電源をいれても音が出ないという。またしても出向いて確認すると、おいおい VOLUME がゼロじゃないか! ◆ これ以上書くのも疲れるので止めておく。世の中にはいろんな人がいるものだ。くれぐれもあんまり深入りしないよう。 |
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