MEMORANDUM

  奇妙に魅力的な家

◆ 撮りためた写真を眺めていると、似たような構図の写真が何枚もあることに気づくことがある。撮るときにははっきりと意識していなくても、好みの構図というものは確実にあるらしくて、並べて見て初めて、ああこういう風景が好きだったんだな、と思い知らされる。こうした体験には新鮮なものがあって、だからこそ写真を毎日撮り続けているのかもしれない。

◆ さて、この2枚の写真もワタシ好みの風景であるらしい。街角の家だが、その角の角度が重要なのだろう。十字路ではいけない、三叉路であること。あるいは、直角ではいけない、鋭角であること。鋭角の土地に建てられた家の不安定さに魅力を感じるのだろうか? 不吉な気もする。そうして、こうした家が一番好ましく思えるのは、夜だ。

◆ 先日、銭湯ポスターのことを調べているときに、《横尾忠則オフィシャルサイト》 を訪問してみたのだが、新作のページ 「RECENT WORKS」 を見て、驚いた。そこで見た油彩画の構図は、どれもワタシの 「好みの風景」 そのものだった。まるでデジャヴュのように、なつかしい風景たち。で、どこかにその秘密を解く鍵が隠されていないかと思い、サイト内をあちこち探索していると、「YOKOO's VISION」 という日記のページがあって、その 「2004年1月17日」 のところに、

◇ 今や散歩が生活の中心になろうとしている。とはいうものの散歩自体が目的で、健康管理を目的するウォーカー派ではない。あくまでもぼくは散歩派である。芸術が遊びであるように散歩も遊びだ。散歩三昧である。芸術と生活は一致するものだから、どこかで芸術と散歩は一致しているはずだ。Y字路ばかり描いているのも散歩と無関係ではなさそうだ。 www.tadanoriyokoo.com/vision/2004/01.htm

◆ という記述を見つけた。散歩、か。

[2006/12/13 修正]

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