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◆ 久しぶりに大型書店に寄って、帰りのバスのなかでなにか読む本はないかと、しばし時間をつぶした。新書と文庫の棚のあたりをうろうろし、 ◆ 三土修平 『株とギャンブルはどう違うのか』(ちくま新書)←「株式投資に夢を見る前に知っておくべき基礎がある。資産価値はどう決まるのか。その値上がり益とは何か。値動きの背後にある法則を経済学の視座から平明に説く。」←タイトルに釣られ、立ち読みしたが、いたってマジメな内容で、ギャンブルの話はほとんど出てこない。 ◆ 坂口孝則 『営業と詐欺のあいだ』(幻冬舎新書)←「一流の営業マンは、絶妙なタイミングで商品を薦め、必殺の決めゼリフを持ち、相手を褒め倒して必要のないモノも買わせる。詐欺師と一流営業マンは紙一重。きわどい営業のコツと心得を伝授!」←これもタイトルに釣られ、立ち読みしたが、とくにきわどいハナシはない。 ◆ 神仏霊場会編 『神と仏の道を歩く』(集英社新書ビジュアル版)←「西国(近畿)の名だたる古社名刹が手を結び、「神仏和合」にもとづく新しい組織「神仏霊場会」を設立、「巡拝の道」が誕生した。参加社寺は一五〇に及ぶ。江戸時代まで盛んに行なわれた伊勢参りや熊野詣のように、神仏を同時に崇拝していた精神風土を現代に取り戻し、末永く百年千年の規模で展開する巡礼ルートだ。本書はその巡拝の道、唯一の公式ガイドブックである。解説に加えて、現代日本の鉛筆画壇の最高峰の作家たちが、全社寺の姿を描き下ろした。細密鉛筆画特有の柔らかさ、精神性が、世界遺産を抱え、美しい景観の保護も目指す「神仏霊場 巡拝の道」に彩りを添えている。」←東国編だったら、買ったかもしれない。鉛筆画が美しい。《木原和敏 Web美術館》で、その細密鉛筆画の一部が見られる。 ◆ けっきょく、なにも買わずに店を出た。 |
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◇ それにしても睫毛の睫って綺麗な漢字だね ◇ 睫(まつげって漢字で書くとちょっと恐いよネっ) ![]() ![]() ◆ 《語源由来辞典》によれば、 ◇ まつげの「ま」は、「まぶた」「まゆ」「まばたき」などの「ま」と同じ「目」の意味で、複合語の中で用いられる時の形。まつげの「つ」は、古形の格助詞で「の」の意味。つまり、まつげは、「目の毛」の意味である。 ◆ なるほど。「まつげ」の「つ」は「遠つ国」「沖つ白波」の「つ」と同じだったのか。 ◇ 現在では殆ど使われなくなり、「まつげ(目つ毛)」「おとつい(遠(をち)つ日)」などに化石的に残っているばかりである。 ◆ 「化石的」か。「睫」のついでに「瞼」。「瞼」は、『瞼の母』なんてのもあったから、「まぶた」と読むには造作はないが、「まぶた」が「目の蓋(ふた)」ということに、ある日突然(独力で)、気がついたときには、ちょっと感動してしまった。また、「唇」が「口の蛭」だということに気がついたのは、川端康成の『雪国』で、 ◇ 駒子の唇は美しい蛭の輪のように滑らかであった。 ◆ でも、「くちびる」の語源は「口の蛭」ではないらしい。 ◇ くちびる(唇)とひる(蛭)は、直接には関係ないようです。くちびるは、もとくちべり(口縁)で、唇になったというのが、大言海などの通説です。 ◆ だそうで、なんとも残念。 |
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◆ 札幌市北区麻生町。 ◇ 札幌の麻生という地名は何と読むのですか? 札幌市の麻生は「あざぶ」ですか?「あさぶ」ですか? 大学生の息子が札幌にいますが、「あさぶ」と言う人と「あざぶ」と言う人がいるそうです。どちらが本当なのですか?
◇ 俺生まれてから麻生を離れた事ないけど、思いっきり「あざぶ」だよ。 ◇ 僕はその麻生に住んでいますが、これは「あそう」ではなくて、「あざぶ」もしくは「あさぶ」と読みます。麻生周辺とか北区民は殆どは「さ」を濁らせて「あざぶ」と読んでいる。しかし地下鉄に乗ると、「つぎはーあさぶーあさぶー」と言っている。小学校高学年くらいで地下鉄に乗ったときにあれ?アナウンスは「あさぶ」って言っているな、と初めて気がついて、ああ、ホントは「あさぶ」なんだな、と思いつつ、言い慣れた「あざぶ」を使っている。これ、おそらく殆どの地元民がそうだろうと思う。 ◆ 《札幌市北区役所ホームページ》に地名の由来についての記載がある。 ◇ 麻生町 「あざぶ」と読む人が意外に多いが、「あさぶ」が正式呼称である。かつて、この地域の大部分が帝国製麻琴似製線工場だったことから、住民の要望で亜麻工場の昔をしのぶ、「麻生町」の名がついた。 ◆ 同じページに、「赤ん坊川」というのもあって、なにかと思ったら、 ◇ 篠路赤坊川 この川は、明治二十一(1888)年ころ、苗穂刑務所の囚人たちが掘ったかんがい溝である。当時の囚人は赤い獄衣を着ていたので、人々に赤ん坊と呼ばれていた。このことから、「篠路赤坊川」の名が付いた。 ◆ こちらの方がおもしろいかも。 |
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◇ 船頭烏賊は保輔をみて怒った。いきなり、墨を噴きかけて来た。だが、的(あた)らない。船頭烏賊は焦った。宇宙工学の超精密機器を思わせるようにしきりにメラニン色素を変化させた。薄い皮膜の下で赤や黄や黒、紫などの厖大な数の色素粒が一瞬間のうちに天文学的数値で移り変わった。――結局、船頭烏賊は周りの磯の色に溶け込むことはできなかった。焦りすぎて計算が狂ったのだと保輔は思った。/ そのときの船頭烏賊の自身の計算ちがいか、または訪れた運命への哀しみをこめた眸(め)を、保輔は忘れることができない。あるいは怒りの眸だったかもしれない。 ◇ 何故、自分が泣いているのか、萌絵は必死で考える。慌ててバックミラーの死角に顔を隠して、手で目を擦った。瞬時に感情を抑える機能は、うまく働かなかった。 ♪ 鏡の中で ほほえんでみる ほっぺたがちょっぴり ひきつるけれど |