MEMORANDUM

  台湾の「救心」

◆ 台湾人に喜ばれる日本の土産物のひとつに「救心」があったそうだ。

◇ 「あんた、泊まるの?」
 いきなり日本語だった。部屋はあったが、予想していたよりは高かった。東南アジアの物価レベルに慣れていると、台湾の物価はかなり高ぐ感じる。
 おばさんは部屋のカギを渡し、私のバッグを指さした。
「救心、持ってる?」
「ええ」
「売りなさいよ。高く買ってあげるから」
 台湾に来る直前まで、「救心」という薬があることも知らなかった。「台湾へ行くよ」と友人に言ったら、彼の知人に救心とリンゴを持っていってくれと頼まれた。友人には世話になっているからことわりきれず、しかたなく運び屋になった。リンゴは重いから1キロだけ買ったが、台北の空港には段ボールひと箱のリンゴを持ち込もうとしている日本人がいくらでもいた。救心、中将湯、命の母など、戦前からある日本の古い薬は、日本の植民地時代を体験した台湾人たちには信仰にも似たブランドイメージがある。薬に限らず、日本製品はすべて最高の品物だと信じている。

前川健一『いくたびか、アジアの街を通りすぎ』(講談社文庫,pp.29-30)

◆ ↑は、台北駅裏で安宿を探していた著者の体験。日付は書いてない。似たようなハナシをネットで探してみると、多少は見つかる。

〔『ふあんねる Voy.4』:大川敏「船旅日記(プレジデント・ケネディーに乗って)」(1980年12月31日、高雄)〕 日本語の達者なおやじさんが店先にいて、盛んに私に話しかけてくる。今台湾では「救心」が非常に人気があることや、ニコンのカメラが高く売れると、私が聞きもしないことを次から次へ話してくる。
www.geocities.jp/funamushi21/funnel/Voy4/Voy4-7.html

〔URA(浦達雄)の台湾旅行記(1987年12月29日、台中)〕 夕食は名代レストランで北京料理を食べたが、ここの主人は北海道や東京にも行ったことがあると言って、写真を見せてくれた。そして、話しがはずみ、台湾の人が喜ぶ日本の土産物として、日本のりんご、梨、柿、荒巻鮭、家庭電化製品、電気鉛筆削り、正露丸・中将湯・サロンパス・救心等の医薬品を挙げてもらう。台湾の山地でりんごを栽培しているが、日本のりんごの方がはるかに美味しいとのこと。梨も同様である。
www2.meijo.ac.jp/mei-ura/taiwan.htm

〔高あきらのこの世の中なんでもあり〕 台湾の人は日本の薬が大好き。正露丸、太田胃散、武田のアリナミン、救心などがお土産として喜ばれる。
blog.oitablog.jp/takaakira/archives/2006/05/post_92.html

(2007年1月18日、新大阪駅構内の薬局) その女性の後に続いて、10名ほど中国語をはなす(台湾人)がドドドっと駆けつけて、あれよあれよという間に店頭にある『メンソレータムAD』を大量に買い占め、慌てて去っていきました。その後、ここの店員さんに『台湾の方よくこられるんですか?』と聞いてみると『観光客の方ですが、みなさん、商品名を書いたリストをもってきて大量に買い占めていきます。台湾で買うと高いらしいですよ~』と話してくれました。ついでに、中国系観光客に人気のある薬も聞いてみると、やっぱり一位は昔から変わらず『正露丸』、二位『救心』三位『メンソレータム』だそうです。
chaimama.blog62.fc2.com/blog-entry-160.html

◆ いまでもそうなのだろうか?

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