MEMORANDUM

  竜巻

たつ-まき (名) 龍卷 烈シキ旋風(ツジカゼ)ノ爲ニ、海水ノ卷キ上ゲラレテ、柱ノ状ヲ成シテ空ヘ登ルコト、龍ノ天ヘ昇ルモノト想像シテ名アリ、陸上ニテモ土砂ヲ卷キ上グルコトアリ。
大槻文彦『言海』(ちくま学芸文庫,p.753)

〔読売新聞〕 6日午後1時前、茨城県つくば市や栃木県真岡市などで竜巻とみられる突風が発生、計890棟以上の建物が損壊し、つくば市では男子中学生が死亡した。
www.yomiuri.co.jp/national/news/20120507-OYT1T00378.htm

◆ 今年は辰年だから、龍も思わず出てきたか。被害も甚大ということで、やや不謹慎かもしれないが、こんなことを考えてみる。津波の被害に遭ったとしたら、ちょっとは海を恨むだろう。けれど、竜巻の被害に遭ったとしたら、はたして空を恨めるだろうか? 空を恨むということがどのような形で可能なのかがわからない。そういえば、風船にぶらさがって空高く消えてしまったひともいた。

◆ 日曜のニュースを、うかつなことに月曜にはじめて知った。うかつなのはいつものことなので、べつにどうということもないが、さきほど「PHOTODIARY」の編集のために、日曜の写真を見てみていたら、あらあら、竜巻、「竜巻ポテト」! と撮った本人が、こんな写真を撮っていたんだなあ、といまさらながらに気がついて、おどろいた。

◆ 龍もポテトにされてはかなわないだろう。とはいえ「竜巻ポテト」を食べたことはもちろん見たこともないので――(見たのは屋台の幕の文字だけ、いや文字さえも見ていなかったのかも。目は見たが、脳は見なかったということか。カメラに偶然写っていたのいうのがより正しい。)――、あまり適当なことは言えない。言えないが、ちょっとだけ言うと、もしかして、竜巻ポテトも竜巻封じのひとつであるか? 古来より、竜巻を畏れるひとたちは、さまざまな竜巻封じを考えついて実行してきた。龍を野放しにしておくから竜巻が起こる。というわけで、どこかから龍をどうにかこうにかとっつかまえてきて、その首をバルブで締めつけて逃さないようにしてみたり……。しかし、これはやりすぎではないだろうか。龍にだって、凶暴なのもいるだろうが、善良なのもいるだろうに。一匹の荒くれものの人殺し龍のせいで、一族はみな肩身が狭い。ワタシも首のうしろが痛くなってきた。そうそう、カミングアウトすると、ワタシも龍の末裔なのだった。

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