MEMORANDUM

  「まど」の夕焼け

◇ たとえば、夕焼けの地平線に向かって電信柱が遠近法で並んでいたりするのを見て、涙がこぼれそうになるのは私だけじゃないですよね。子どもも大人も、誰だって心が震えずにおれません。それは、なぜなのか……。
まど・みちお『いわずにおれない』(集英社be文庫,p.81)

◆ 「私だけじゃないですよね」と書くことのできる「まど」さんがうらやましい。ワタシだって、こころの奥底では、いつもそうつぶやいているのだ。しかし、それを声に出して言う勇気がない。たとえば、電車の「まど」から、きれいな夕焼けが見えたときには、おなじ車両に乗り合わせたおおぜいの人たちと、かくも美しい世界をともに祝福したくなる。そうして、車内を見回したりもするのだが、ワタシのほかはだれも外を見ていたりはしない。

〔NHKスペシャル:ふしぎがり~まど・みちお 百歳の詩~〕 “最後の本物の詩人”と評されるまど・みちおさんが、平成21年11月16日、100歳の誕生日を迎えた。まどさんは、「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」「一ねんせいになったら」など戦後を代表する童謡の作詞をする一方で“誰でもわかることばで、誰もが見過ごしているいのちの不思議”を詩に表現し続け、1994年には児童文学のノーベル賞と言われる国際アンデルセン賞・作家賞を日本人として初めて受賞した。
www.nhk.or.jp/special/onair/100103.html

◆ 100歳!

◆ 上の引用の「NHKスペシャル」は残念ながら見ていないが、そのタイトルの「ふしぎがり」ということばが気にかかる。もちろん、「寒がり」「目立ちたがり」「恥ずかしがり」の「がり」だろうが、この「がり」は「狩り」だと考えることもできて、そうすると「不思議狩り」。

関連記事:

このページの URL : 
Trackback URL : 

POST A COMMENT




ログイン情報を記憶しますか?

(スタイル用のHTMLタグが使えます)