◆ 国語の入試問題といえば、センター試験の前身である共通一次試験で、こんなハナシもあるらしい。 ◇ 芥川賞選考委員の黒井千次が、昔、自分の書いた文章「春の道標」がセンター試験(共通一次)に出たので挑戦したら、自分の文章なのに正解が10問中3つしかなかったので、キレたという話がある。 ◆ 共通一次に黒井千次の小説『春の道標』が出題されたのは、まさにワタシが受験した年で、しかも家の本棚には『春の道標』の単行本があったのだった。しかし、その先の記憶が怪しい。試験の前にこの本を読んでいて、しめしめとほくそ笑んだのだったか、試験の後にこの本が本棚にあることに気がついて、地団駄を踏んだのだったか。たぶん後者だったような気がするが、どちらにしても試験の出来にたいした違いはなかっただろうと思う。さて、どんなハナシだったのか? すっかり忘れてしまって、なにも思い出せない。 ◆ で、ちょっと調べてみると、ああ、ちょっと思い出した。そうそう、「棗(なつめ)」という女の子が出てくるのだった。主人公の高校生、倉沢明史が好きになった女の子が「棗」。わが子に「なつめ」と名づけた父親がいる。 ◇ 名づけの由来はといいますと、黒井千次さんの小説『春の道標』(新潮社刊行・1981年)で主人公・倉沢明史が恋する可憐な日本的少女・染野棗の「棗(なつめ)」からつけました。〔中略〕 この作品を知ったきっかけは、私が高校3年の受験生のころ、現代文の問題集で読解として出題されたことです。その後、ストーリー自体が気になって、絶版となった同書を古本屋さんで探し回り、手に入れて話の続きを読むことができました。 ◆ 試験問題がきっかけで、この小説をあらためて読みたくなったというひとは多いようで、 ◇ 黒井千次『春の道標』。国語のテストで使われてたが、思わずひきこまれ、原文を読みたいと思いつつもう何年たつか。 ◇ 黒井千次の「春の道標」との出会いは大学受験の頃に遡る。共通一次試験、現国の過去問。問題文として切り取られたごくわずかな部分に惹かれた。本屋を廻って文庫本を見つけ出し、読む。受験生だというのに。明史と棗の切ない物語にふるえる。 ◇ 受験勉強で問題集を解いていたときにこの小説に出会いました。ここまで続きが読みたくなったのは初めてです。 ◇ 国語の試験で出た問題の物語に入り込みすぎて、次の日の試験も引きずって受験に失敗した話を先生がしてくれた。その物語は黒井千次の「春の道標」だと。 ◇ 私とこの物語との出会いは、高枚三年生の時の模擬試験であった。本屋をまわってこの一冊の文庫本を買って下宿に帰り、一気に読み終えた。不思議なくらい主人公明史に感情移入した。明史と同じく、どきどきしたり、不安になったり、絶望したり、喜んだりできた。失恋で終わるこの物語を読み終ったあとの、何か心にぽっかりと穴があいてしまったような虚脱感は、今でもはっきりと心に記憶されている。 ◇ 〔Yahoo!知恵袋〕 資料を間違えて捨ててしまったので書名のわからなくなってしまった本があります。進研ゼミ高校講座の小説文として何度か文章が引用されていました。主な登場人物が「棗(なつめ)」という名前の女の子と、彼女と付き合っている男の子(名前は忘れてしまいました)、それと棗の婚約者(素性は覚えていません)です。 ◆ 実家にまだ『春の道標』はあるだろうか? |
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全く記憶にないのですが、私も読んだことがあるのでしょうか?気になります。
ぜひとも読んでみたいものです。
自転車女さん、
よくわかりませんが、たぶんあるのでは?
39年前の共通一次、この時は不合格だったのですが、浪人中に文庫で読みました。
懐かしいですね。