MEMORANDUM

  天声人語のお便り

◆ 朝日新聞のコラム「天声人語」では、以前に書いたコラム記事にたいする読者からの「お便り」をもとにして、またあらたなコラム記事が生み出されるということがままある。「天声人語+お便り」で検索してみると、いろいろと見つかる。たとえば、

〔天声人語:1983/08/09〕 騒音時代の今はほぼ絶滅したといわれる水琴窟のことを本欄で書いたら、「わが家の水琴窟は健在です」というお便りをいくつかいただいた。幻の水琴窟が各地に生きていることがわかったのは、大変な収穫だった。

〔天声人語:2003/04/19〕 先日この欄で「地獄絵の合間に一瞬、黄色い花が見えた」とイラク北部での誤爆現場の映像について書いたところ、山口県埋蔵文化財センターの中村徹也所長から「キンポウゲかノボロギクだと思う。いやそうあってほしいと思う」とお便りをいただいた。

〔天声人語:2004/12/12〕 先日、ベートーベンの「運命」にまつわる記憶について書いたところ、幾通かお便りをいただいた。「運命」を竹で演奏する会があるとの便りがあり、出かけた。

〔天声人語:2005/12/03〕 先日のコラムは、幼い子の頭をなでるようなしぐさで「子ども」を表す手話のことから書いた。九州からのお便りに、こんな一節があった。「『愛す』『大切にする』の手話は、円を描いた手の下にもう片方の手をそえます。寒い時、手の甲をこするように」。

〔天声人語:2007/11/20〕 過日の本欄で、ハナミズキをほめた。春の花、秋の葉、赤い実と年に3回楽しめる多芸ぶりのことだ。引き合いに出した桜を「春の一芸」と書いたところ、「秋の桜も捨てがたい」とのお便りを何通かいただいた。

〔天声人語:2009/10/25〕 先ごろの小欄で和紙について書いたところ、多くのお便りをいただいた。神奈川県藤沢市の女性(96)は、お母さんの里が「岐阜の山奥」で、美濃紙を戦争中まですいていたという。

〔天声人語:2010/02/07〕 本欄へのご感想の中には、ただ黙するしかないようなものがある。埋葬地に木を植える「樹木葬」を取り上げた過日の小文にも、そのようなお便りをいただいた。「いつ折れるとも知れない心を老夫婦で支え合いながら、娘のために樹木葬の適地を探しています」。

◆ それがどうした、と言われると返答に困る。べつにどうもしない。

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