MEMORANDUM

  塩竈

◆ 「いすみ市」が「夷灊市」だったらということを夢想しているうちに、ヤヤコシイ漢字を使った市名に「塩竈市」があるのを思い出した。《Yahoo!知恵袋》にこんな質問。

◇ 宮城県「しおがま市」の漢字表記は、旧字体を用いて「塩竈市」とするのが正式なのですか? 郵便局配布の郵便番号簿には、そのように記載されています。難しい漢字ですね。
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q109553180

◆ たしかに難しい漢字だが、「竈」はふつうには「カマド」と読まれる字で、「釜」の旧字体であるわけではない。まったく別の漢字である。その点では、「塩釜」と書くのは、たとえば「塩鎌」と書くのと同じくらいにおかしいはずだが、カマドは「釜戸」とも書かれることがあるので、強弁すれば、「塩釜」の「釜」は「釜戸」の「戸」を省略したもの、という説明も成り立つだろうか。塩竈市は、

〔Wikipedia〕 「塩釜市」と表記されることも多く、塩竈市内にある市以外の機関の名称の多くは「塩釜」になっており(郵便事業の支店も塩釜支店である。なお、杜の都信用金庫は塩竈営業部である)、JRの駅名でも「塩釜」(塩釜駅,本塩釜駅など)であるが、釜は所謂「ナベ・カマ」の「かま」であり、竈は釜をのせる「かまど」のことなので、字義が異なる。
ja.wikipedia.org/wiki/塩竈市

◆ 塩竈の表記については、塩竈市役所のホームページに《塩竈市:「竈」の字の書き方》というよくできたページ(読みやすいデザインだし、内容もまとまっている)があって、ひじょうに参考になる。

〔塩竈市:「竈」の字の書き方〕 塩竈市役所で作成する公文書においては、「塩竈」を使用することになっています。ただし、市民の方、あるいは他の官公庁が「塩釜」と表記した文書については、「塩竈」と解釈して受理することとしています。
市役所で、塩竈という表記に統一するようになったのは、昭和16年(1941年)からで、それ以前には、「鹽竈」、「塩竈」、「鹽釜」、「塩釜」など、混在して用いられていました。「鹽」という漢字についは、当用漢字の「塩」を用いてもさしつかえありませんが、「竈」と「釜」では、字義が違っており、本市の地名の由来が、「鹽竈神社」の社号に因むものであるところから、「釜」ではなく「竈」を用いることに統一されました。

www.city.shiogama.miyagi.jp/html/service/kamado/index.html

◆ とりあえず「しおがま市」に変更される気配はなさそうだ。

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