◇ 通称ガンガン寺、正式にはちゃんとした名前があるはずだが、通り名のほうがぴったり会っている。
池内紀『ニッポン発見記』(講談社現代新書,p.12)
◆ ガンガン寺の正式名称は、函館ハリストス正教会。聖堂は正式には「主の復活聖堂」というのだそうだ。
◆ 通称、通り名のほうが知られている建物といえば、同じく正教会のニコライ堂もそうだ。正式には、東京復活大聖堂教会の「東京復活大聖堂」というらしいが、おそらくほとんどのひとは知らないだろう。それから、
◇ 三河国(愛知県東部)の豊川市にある豊川稲荷(江戸・東京の豊川稲荷はその別院)が有名である。“豊川稲荷”は通称で、じつは曹洞宗妙厳寺なのだが、妙厳寺の境内に、寺の守護のために荼枳尼天がまつられ、このほうが有名になった。
司馬遼太郎『街道をゆく33』(朝日学芸文庫,p.256)