MEMORANDUM

  金玉火鉢

◆ 水上勉『停車場有情』の「篠ノ井線松本駅」から。昭和21年冬。

◇ 雪の降る一日、所在のないまま外へ出て、駅のぐるりを歩いた。西の方へ町通りを歩いていると、神明町とよぶ遊郭があった。遊郭というよりも淫売宿といった名称が似合う。貧相なトタン屋根の平屋がひしめいていて、赤い顔をした娼妓たちが、股火して外を見ていた。
水上勉 『停車場有情』(朝日学芸文庫,p.88)

◆ 「股火する」という表現を知らなかったので、辞書で調べると、「股火鉢」を経由して、「金玉火鉢」というコトバにたどり着いた。

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