◆ 北海道の地図にカスベ(ガンギエイ)の姿を重ねながら、知床半島と根室半島の部分が、同じエイの仲間でもイトマキエイの頭部に見えてきたので、これも重ねてみた。どうだろう? 同じことを考えたひともいる。 ◇ 〔珍獣の食卓〕 カスベといえば、何かの本で北海道を「カスベの形をした土地」だと表現しているのを見たことがあります。前々から、北海道は生き物っぽい形をしていると思っていたのでやっぱりねーと感心しまくり。函館があるあたりが尾ヒレで積丹と室蘭のあたりが尻ビレ。ガンギエイにはないけど、イトマキエイだと頭に小さなヒレがあって角みたいに突き出してるから、これが羅臼と根室のあたりでしょ。もうピッタリ、エイの形そっくり。 ◆ イトマキエイの画像は長崎大学附属図書館が電子化した《グラバー図譜》から。萩原魚仙画。腹面からの図もある。 ◇ 〔グラバー図譜〕 グラバー図譜は通称で、正式な名称は「Fishes of Southern and Western Japan 日本西部及び南部魚類図譜」と言います。これらの図譜は、明治末から昭和初期の約25年間の間に、倉場富三郎(Thomas Albert Glover)により編纂されたもので、中村三郎などの手による主として海産の魚介類約800図、全32集から構成されています。 ◆ グラバー邸で有名なトーマス・ブレーク・グラバー(Thomas Blake Glover)の息子が、倉場富三郎。母親は日本人。イトマキエイ(Mobula japanica)に戻って、知床半島と根室半島のふたつの突起は、耳ではなくてヒレで、頭鰭(とうき・あたまびれ)という。 ◇ 頭部前端の左右にコウモリの耳のような形のひれ(頭鰭(とうき))があり,これが糸巻を連想させることに由来した名称。胸びれを広げたときの形から英名は devil fish または devil ray という。南日本の沿岸や沖合に生息し,南はハワイまで分布する。頭鰭をもつこと以外に,尾部がむち状でたいへんに長く,体板の3倍以上あるのが特徴。尾部には毒針があるが小さい。体板長2.5mに達する。〔中略〕 イトマキエイは食用とされず,せいぜい肥料に利用されるくらいである。(谷内透) ◇ 〔グラバー図譜〕 長崎魚市には東シナ海で操業する大型巻網でアジ、サバ類にまじってとれたものがときどき入荷し、クロエイ、バンゾエなどの方言で呼ばれている。肉は食用になるが不味で、かまぼこ材料として用いられている。 ◆ 不味いのか。でも、知らずにかまぼことして食べているかも。 ◆ 大リーグに、タンパベイ・デビルレイズ(Tampa Bay Devil Rays)という弱小球団があった。 ◇ 球団創設は1998年。アリゾナ・ダイヤモンドバックスと共に、球団拡張(エクスパンション)の一環として「タンパベイ・デビルレイズ」として誕生した。この「デビルレイズ」という愛称は、フロリダ湾に多く棲息するイトマキエイに由来する。〔中略〕 デビルレイズ時代の10年間の通算成績は645勝972敗(勝率.399)で、2004年の地区4位以外は球団創設からすべてのシーズンで地区最下位だった。勝ち越したシーズンすら一度もなく、シーズン70勝に達したのも2004年のみだった(同時期に創設されたダイヤモンドバックスは創設翌年に地区優勝を果たし、2001年にはワールドチャンピオンにも輝いている)。 ◆ 悪魔に呪われているせいだと思ったのかどうか、2008年、 ◇ 愛称から「Devil」の文字を取り、「タンパベイ・レイズ」と改称された。球団シンボルは、同じく「Ray」だが、これまで同様エイとともに光線も意味するものに変わった。 ◆ すると、同年、悪魔祓いが功を奏したのか、 ◇ 球団創設11年目で初の地区優勝・リーグ優勝を達成し、ワールドシリーズにまで進出。アメリカ全土に「レイズ旋風」を巻き起こす大躍進を遂げた。 ◆ なんともできすぎたハナシではある。イトマキエイといえば、近縁種に、ダイバーに人気の「マンタ」ことオニイトマキエイがいる。いずれにしても、イトマキエイは南方の魚だから、北海道にはあまり似合わないか。シッポもあまりに長くて細すぎる。 |
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