MEMORANDUM

  三光稲荷

◆ 「お稲荷さん」であれこれ検索していたら、狐ではなく猫が出た。

◇ 三光稲荷は失走人の足止の願がけと、鼠をとる猫の行衛(ゆくえ)不明の訴(うったえ)をきく不思議な商業(あきない)のお稲荷さんで、猫の絵馬が沢山かかっていた。霊験(れいげん)いやちこであったと見え、たま、五郎、白、ゆき、なぞの年月や、失走時や、猫姿を白紙に書いて張りつけてあった。
長谷川時雨 「木魚の顔」(『旧聞日本橋』所収,青空文庫

◆ たま、五郎、白、ゆき、列挙された猫の名が楽しい。「霊験いやちこ」というコトバがわからないので調べる。「霊験あらたか」と同じ意味らしい。作者の長谷川時雨(しぐれ)も知らなかったので、これも調べる。

〔青空文庫:作家データ〕 1879(明治12)年10月1日、日本橋通油町に生まれる。源泉小学校という代用小学校に通う。十九歳で結婚するも、十年の後協議離婚する。その後作家として自立し、当初は女流劇作家の第一人者となる。大正期には「美人伝」の著者として有名となり、昭和期に入り「女人藝術」を創刊主宰し、女流作家の発掘につとめる。三上於菟吉の内縁の妻として、彼を支えたことも有名である。1941(昭和16)年8月22日死去。代表作に「美人伝」「旧聞日本橋」がある。
www.aozora.gr.jp/cards/000726/card4535.html

◆ 『美人伝』を書いたからというわけではないだろうが、なかなかの美人。

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