MEMORANDUM

  考えるカンガルー

◇ 好きな本は何かと考えはじめて、好きということがわからなくなった。
川上弘美 『あるようなないような』(中公文庫,p.163)

◆ そんなこともあるだろう。あるいは、好きな本は何かと考えはじめて、本というものがわからなくなった、ということもあるかもしれない。けれど、好きな本は何かと考えはじめて、好きということも本というものも同時に両方わからなくなってしまったら、考えようにも考えるすべがなにもなくて、あとは、もう寝るしかない。

◆ 考える、考える、と考えていたら、どこからともなくカンガルーが現れて、すぐ消えた。

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