◆ お稲荷さん。これは稲荷の神あるいは稲荷の神を祭った稲荷神社のことであるが、また、稲荷の神の使いの狐のことであったり、また、稲荷の神の使いの狐の好物の油揚げにご飯をつめた料理のことであったりもするので、まったく油断がならない。《Yahoo!知恵袋》にこんな質問。
◇ 嫁が使う言葉は、いなり寿司を「おいなりさん」と言うんだが、人じゃあるまいしキモチ悪くって嫌な気持ちになるんだけどこの「おいなりさん」って何の意味なんでしょうか?
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1313683
◆ 関西人にけんかを売ってるとしか思えない質問だが、回答のひとつ。
◇ 大阪在住です。「お稲荷さん」や「飴ちゃん」どころか「お芋さん」「おかいさん」(お粥の意)などとも言います。思い出せばもっと他にもありそうです。祖母は不浄な物にも「さん」をつけていました。
◆ 不浄な物に「さん」をつけると、どうなるか?
◇ 〔東京ウォーカー〕 関西のローカル番組から火が付き、関西の女子高生に人気だというゆるキャラ“うんこさん”。一瞬ひるみそうな名前のこいつは、そう、“うんこ”のキャラクターだ。CD、DVDを立て続けに発売し、秋には大手玩具メーカーからグッズも登場。目下、よしもと芸人バリの東京進出をもくろんでいる売り出し中のキャラなのだ。
news.walkerplus.com/2009/0725/6/
◆ そう、「うんこさん」になる。この「うんこさん」、キャラクターは新しいものだが、コトバ自体はむかしからある。
◇ 〔発言小町〕 私も長年京都市民なので”さん付け”使いますが、子供のころ、近所のおばあさんが、家の前にあった犬のフンをみつけて、「こんなところに、”うんこさん”が・・ブツブツ・・」と言いながらそうじをしているのを見て、子供心に「そんなものにまで”さん付け”かよ」と思ってしまいました。私は子供のウンチには「うんこさんしやはった」もアリですが、家の前で犬のフンを見つけたら絶対に「うわあ、犬のフンや!」と言うと思います。
komachi.yomiuri.co.jp/t/2007/0912/147105.htm
◇ 京都のことばは、とても丁寧だ。例えば「○○さん」という言い方。人間だけでなく物にもつける。豆→「お豆さん」、寺→「お寺さん」、油揚げ→「おあげさん」という風に。京都に住みはじめて、年配の女性から「うんこさん」というのを初めて聞いたとき、いわゆる排泄物のそれではなく、別の物体か、はたまたまじめな顔で冗談を言ってるのかと思った。その女性は「○○ちゃん、うんこさん行ったはるえ」と言ったのだが、一瞬どう反応すればいいのかわからず「はぁ」とか何とか笑ってやりすごしたのだが、今から思うと冗談でもウケを狙ったわけでもなかったので、大げさなリアクションをしなくてよかった・・・。
www.hers-kyoto.jp/fumis/fumis.html
◆ 「うんこさん」、おそるべし。あっという間に「お稲荷さん」がかすんでしまった。おいなりさんみたいなうんこさん。うんこさんみたいなおいなりさん。どうも失礼しました。