◆ 「鳩を食べる」という記事を書いたあと、ちょっとだけ鳩を味見したくなったが、鳩を食べさせてくれる店を探すのも面倒なので、近くの図書館で鳩料理について書かれた本はないかと探してみたら、『「ゲテ食」大全』という本に記載があった。そのタイトルが示すとおり、いかもの食いについての本であるから、ミミズ、フナムシ、ムカデ、ゴキブリ、シロアリ、金魚、セキセイインコ、ハムスター、イヌ、ネコなど、目次をみるだけで、ヨダレのかわりにヘドが出る。かと思ったら、そうでもなく、いろいろとタメになった。 ◇ 虚ろな目をして、前後に首を振り歩き、エサだと見れば寄り集まり、少しでも身の危険を感じれば大慌てでバタバタと飛びすさるのに、数秒後には驚いたことすら忘れてしまい、虚ろな目をして、また首を振る。 ◆ と書かれているのが、ドバト。 ◇ 生き物を外見や頭脳程度で差別したくはないのだが、それにしても、全国の神社仏閣、公園などで、ドバトが受けている好待遇には、少々首をひねらざるをえない。人畜無害だというならまだしも、ダニやホコリを撒き散らしながら飛び回り、所かまわず脱糞し、しかも糞には、髄膜炎などを引き起こす真菌・クリプトコックスが含まれる。エサまで与えて保護しなければいけない理由など全くない生き物なのである。 ◆ と散々な書かれよう。「虚ろな目」をしているかどうかの判断は留保するとして、まあほとんど事実であるから仕方がない。ただ味の評価は抜群で、◎(二重丸)。ドバトは、 ◇ 神社仏閣などに住み着いたことから「だうばと(堂鳩)」「たうばと(塔鳩)」などと呼ばれていたのがドバト(土鳩)の語源ではないかと言われている。 ◆ のだそうだが、ドバトの「ド」というのがなんとも効いている。ド田舎、ド阿呆のド。ドレミのドであれば、少しはイメージも違ったかもしれない。公園では「ハトにエサを与えないで」と書かれた看板をよく見かける。エサを与えようにも、鳩豆売りのいる寺院や神社も少なくなって、鼻歌まじりに、 ♪ 豆が欲しいか そらやるぞ ◆ というわけにもいかない。鳩にとっては世知辛い世の中になりつつあるが、食べられないだけまだましだというべきか。 |
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