MEMORANDUM

  象や河馬

◇ 一体に旨い魚や鳥というのは飼って見たらさぞ可愛いだろうという気がして、これは例えば石川県金沢のごりがそうであり、獣の中では象や河馬が可愛いが、その両方とも非常に旨いそうである。
吉田健一 『私の食物誌』(中公文庫,p.26-27)

◆ 最後の部分をワタシは最初「非常に旨そうである」と読んでしまい、それで、動物園でゾウやカバを見て、思わず「うまそう」と口走り、「お父さんったら、最低!」と妻と子どもから非難をうけるオヤジの図がアタマに浮かんだが、よく見直すと、「旨いそうである」と書いてあった。

◆ ゾウやカバのような巨大な動物を「可愛い」と言うのには少し抵抗があるが、そういえば、以前「おっきくって、かわいい」という記事を書いた。

◆ 生きているゾウやカバを見て「うまそうだ」と思うひとはいるだろうが、公園に置かれたゾウや描かれたカバを見てそう思うひとは、さすがにいないだろう。いや、いるかもしれない。

◆ かわいいものはおいしい。おいしいものはかわいい。かなりハナシが飛躍するが、以前「ひよこ裁判」という記事を書き、その最後におともだちのめめさんの「ひよこ」という文章を紹介したことを思い出した。

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