MEMORANDUM

  二星てんとう

〔SHY'S ROOM〕 朝、カーテンをそうっと開けて外を見ていたら、バルコニーに置いてあるテーブルに、てんとう虫がちょこんと乗っかってた。雨宿りかな。七星ではなく二星てんとうくんだった。
shy.jugem.ne.jp/?eid=1201

◆ 星が七つあるテントウムシをナナホシテントウというのだから、星が二つなら、フタホシテントウと呼んでもさしつかえないはずで、じっさいそう呼んでいるひとも多いと思われるが、分類学上は、フタホシテントウという種類のテントウムシはいない。ナミテントウという。ナミは並で、ふつうの、ありふれた、という意味。このナミテントウ、

◇ ナナホシテントウとはちがい、黒地に2つの赤い紋、黒地に4つの赤い紋、赤や黄色に多くの紋、赤や黄色の無地など体色に多くの変異がある。
ja.wikipedia.org/wiki/テントウムシ

◆ 上の写真はいずれもナミテントウ。

◇ テントウムシにも種類は多いが、一番ありふれたナミテントウは個体変異の好例で、同じ種類でありながらさまざまな斑紋の変化がある。〔中略〕 初心者はいろんなナミテントウを捕らえ、何種ものテントウムシを蒐(あつ)めたと思いこむが実は同一種なのである。もっとも巨大な宇宙生物がいて人間の標本をこしらえたとしたら、やはりこれと同じことになろう。
北杜夫 『どくとるマンボウ昆虫記』(新潮文庫,p.111)

◆ 同一種ではあっても、あきらかに模様がちがうのだから、コトバで伝えるときには、やはり「二星てんとう」というのが使いやすい。前の記事に引用した堀江敏幸の「蜜を求めてモンシロチョウが舞い、茎には二星てんとうやカタツムリが張り付いて」という文章。モンシロチョウとカタツムリとは異なり、「二星てんとう」だけがカタカナで書かれていないのは、そういった事情によるものだろうか。二紋型のナミテントウとか、黒地に赤い星ふたつのナミテントウとは、書きにくいだろうと思う。

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