◆ 天然温泉の大型健康ランド「テルメ金沢」にシロクマ。おまけに、アデリーペンギン。そこに、こんな注意書き。
◇ しろくま(北極熊)は名前の通り北極周辺の陸地およびおよび氷上に生息しています。そして、ペンギンは南半球の広い緯度範囲に生息しています。と言う事は、実際にはこのように一緒になる事は無いのです。でも、しろくまがさみしそうだったので、一緒にさせていただきました。
◆ おおよそこのような内容。語句の正確さは保障しかねる。撮った写真を拡大して見てみたが、細かい漢字までははっきりと読めなかった。《Wikipedia》に似たような文章があったので、それを参考にした(原文もそれを参考にしたのだろう)。
◆ ところで、なぜこのような注意書きがあるのだろう。だれか利用客が「シロクマとペンギンがどうして一緒にいるんだ」とクレームをつけたのだろうか。教育上の配慮によるものだろうか。よくわからないが、「しろくまがさみしそうだったので」というところがいい。『さみしいシロクマ』という童話でも書きたくなる。
◇ 北極にひとりぼっちのシロクマがいました。シロクマは絵本を読むのが好きでした。あるとき、いつものように絵本を読んでいると、北極と似たような風景のなかに、とってもかわいらしい動物がよちよち歩いている絵がありました。それがペンギンでした。シロクマはひと目でペンギンが好きになりました。あたりをいっしょうけんめい探してみましたが、ペンギンには出会えません。いったいどこにいるのだろう? アザラシなら知っているかもと思って、アザラシに近づくと、アザラシはこわがって逃げてしまいました。しようがないので、出版社に手紙を書きました。手紙を書くなんて、うまれて初めてです。「このてがみをペンギンさんにとどけてください。ともだちになりたいです。それから、いちどあいたいです。シロクマ」。首を長くして返事を待っていたシロクマのもとに、ある日、郵便やさんのキョクアジサシがやってきて、一通の手紙を届けました。ペンギンからでした。「シロクマさん、こんにちは。ぼくたちもあいたいです。できれば飛んであいにいきたいのですが、ぼくたちは飛べません。地図を書いたので、あいにきてください。まってます。ペンギン」。シロクマはさっそく旅支度を始めました。はるばる南極までの長旅です。
◆ つづきはどうなる?