MEMORANDUM

  三浦大根

◆ 司馬遼太郎の『三浦半島記』から、もうひとつ。

◇  思わぬことに、夫人の靖枝さんから、三浦大根のふるまいをうけた。私は不敏なことに、三浦大根という名さえ知らなかった。
「東京にはあります。三浦から来るんです」
 この紀行をはじめる前、木下秀男氏に教えられた。八百屋などに、わざわざ “三浦大根” と明示されている場合もあるという。
 念のために、小学館の『日本国語大辞典』をひくと、ちゃんと出ていた。

司馬遼太郎 『三浦半島記 街道をゆく42』(朝日文芸文庫,p.51)

◆ 大阪人の司馬遼太郎が三浦大根を知らなくても不思議はない。ためしに、ワタシもネットの国語辞書を引いてみたが、出ていない。《野菜果物辞典》というサイトを見ると、

〔野菜果物辞典〕 昭和初期に神奈川県三浦郡で生まれた品種。中央がズングリした大根で肉質がきめ細かく、加熱すると甘みが出る。おでんにいい。
www.yasaiyasai.com/item/52_125.html

◆ とあって、急におでんが食べたくなる。《三浦市農協》のサイトも見てみると、

〔三浦市農協〕 大正14年に三浦産のダイコンが「三浦ダイコン」と正式に命名されて以来、三浦特産の冬ダイコンとして長年にわたって名声を維持してきました。しかし、昭和54年に大型20号台風が三浦地域を襲い、三浦ダイコンが大きな被害を受けたのを契機に、「青首ダイコン」が三浦のダイコンの座を取って替るようになりました。甘みと小振りなサイズが消費者ニーズに合い、台風被害後のまき直しでも威力を発揮したことや、三浦ダイコンに比べ栽培が容易で多収、軽量で作業が省力化されるという生産者側にとっても好ましいことなどから、わずか2~3年で切り変わってしまいました。現在は99%が青首ダイコンになっています。
www.ja-miurashi.or.jp/tokusan/daikon.htm

◆ なるほど。ここで、三浦大根だと思って載せた写真がふつうの青首大根であることに気がついて、あわてて写真を差しかえたのだった。あぶない、あぶない。

〔食の時間〕 そもそも三浦大根は、昔から三浦で生産されていたねずみ大根(高円坊大根)と練馬大根をかけ合わせて作られた。
www.keikyu.co.jp/webnagisa/06_01/food.html

◆ そういえば、「練馬大根発祥の地」というような記念碑も練馬のどこかで見て写真に撮った記憶があるのだが、すぐには探し出せそうもない。そのうち、見つかったら、練馬大根のことも調べてみよう。その前に、おでん、おでん。

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