◆ 辺見庸の『もの食う人びと』から。元従軍慰安婦の金さんは、「当時の味で記憶しているのは?」と聞かれ、 ◇ 連行の途中、大阪の屋台で食べた「かけウドン」と彼女は答えた。 ◆ それで、うどんが食べたくなった。関西のうどん。 ◇ その味を言うならば一体に関西の食べものは淡味ということになっていて、それならばうどんの汁も淡味だから旨いのだということになりそうであるが関西のうどんはうどんそのものが淡味のせいでうどん粉臭いのとは反対に何かあの白玉というものをうどんの形に仲ばしたものを食べている感じがする。〔中略〕 ◆ またまた、うどんが食べたくなった。そういうわけで、夏バテで食欲が落ちているせいもあるけれど、このごろ、うどんばかり食べている。まだ、飽きない。なか卯のうどんでもじゅうぶんおいしい。ちなみに、吉田健一は吉田茂の長男。つまり、麻生太郎の伯父。 ◆ 以下、おまけ。《青空文庫》で見つけた林芙美子の小説から。 ◇ 絹子は信一をいいひとだと思つてゐる。何かいい話をしなければならないと思つた。さうして心のなかには色々な事を考へるのだけれども、何を話してよいのか、少しも話題がまとまらない。 |
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