MEMORANDUM

  ダンプカー

◆ 梨木香歩『西の魔女が死んだ』の文庫本には、同じ主人公まいの登場する「渡りの一日」という短篇も収録されていて、ワタシにはこちらの方が楽しめたりもしたのだが、ちょっと気になったのは、

◇ その女の人の車というのは、驚いたことに大型のダンプカーだった。女の人は軽やかに運転席に上がった。西部劇で馬に乗る人みたいだ、とまいは思った。
「さ、乗って」
 女の人は内側から助手席のドアを開けた。

梨木香歩 「渡りの一日」(『西の魔女が死んだ』,新潮文庫,p.213)

◆ 「楽々二人座れる助手席」側のドアを、まるで乗用車みたいに運転席側から開けたというのが、やや気にかかる。無理ではないが、かなり面倒だろう。それはいいとして、まいと友人ショウコが乗せてもらったダンプカーの女性運転手が向かった先は、なぜだか美術館。

◇ 「絵の搬出が今日の仕事よ。今日が展覧会の最終日なのよ」
Ibid.,p.218

◆ いくらなんでも、ダンプに美術品を積みはしないだろう。ゴミじゃないんだから。作者は大型のトラックはすべてダンプカーだと思っているのだろうか? でも、ダンプってのは、こんなんだよ。土砂とか運ぶやつ。荷台がすべり台みたいになるやつ。

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