◆ 蘭軒の飼い猫の名はトキだった・・・。以下、脈略のないハナシを適当につなぎ合わせる。
◇ 〔「天声人語」2009年3月6日〕 俳優出身の米大統領だったレーガンは才があったとみえ、気の利いた言葉をいくつも残している。「政治家は悪い職業ではない。成功すれば多くの報奨があるし、失敗したらいつでも本が書ける」など、なかなか機知に富んでいる。
www.asahi.com/paper/column20090306.html
◆ 日本の政治家では、と考えると、鳩山邦夫総務相はトキにおもしろい発言をする。
◇ JR東京駅前にある東京中央郵便局の建て替えに鳩山総務相が「待った」をかけた。昭和初期を代表する建築の局舎を壊すことについて、「重要文化財の価値があるものをなくすのは、トキを焼き鳥にして食べるような話だ」と指摘。
www.asahi.com/politics/update/0228/TKY200902270400.html
◇ 鳩山総務相は「トキが焼き鳥になってはいけないが、剥製(はくせい)になって文化財として残る方法で再開発してもらう。すみやかに設計変更して欲しい」と語った。
www.asahi.com/politics/update/0310/TKY200903100097.html
◆ 自らがハトだから、というわけではないだろうが、焼き鳥の悲しみが少しはわかるのだろう。焼きトキは、はたして旨いだろうか? というわけで、焼き鳥にされる前の東京中央郵便局を見に行ってきた。外壁の大時計は、すでに針が取り外されていて、トキは止まっていた・・・。
♪ 短い針がない~なら~ 長い針もない~
◆ この「戦前のモダニズム建築の代表作」とされる建物をしばし眺めてみたが、
◇ 見るほどに目が喜んで飽かずいつまでも眺めていたくなるこの建物を知って以来、東京駅を通るたびごとに一瞬でも見逃すまいと目を向けてしまう、そんな経験を持った人は私だけではないだろう。この建物を目にする時の感覚を話すならば、造形物を理屈で了解しようとする次元を突き抜けた時に、想像的な感性が解き放たれ、感覚の赴くにまかせて心が遊ぶ・・・と言ったら気障に過ぎるか。
www.sainet.or.jp/~junkk/teisin/tyuuyuu.htm
◆ といった気分には正直なところなれなかった。おそらく「想像的な感性」が欠落しているのだろう。よくわからない。焼き鳥にするなら、塩だろうか? それにしても、あまり旨くはなさそうだ。煮ても焼いても食えそうにない。
◇ トキの肉は古来から食用とされ、『本朝食鑑』(1695年)にも美味と記されている。しかし「味はうまいのだが腥(なまぐさ)い」とあり、決して日常的に食されていたのではなく、冷え症の薬や、産後の滋養としてのものであったとされる。「トキ汁」として、豆腐あるいはネギ・ゴボウ・サトイモと一緒に鍋で煮るなどされていたようである。しかし、生臭い上に、肉に含まれる色素が汁に溶出して赤くなり、また赤い脂が表面に浮くため、灯りのもとでは気味が悪くてとても食べられなかったため「闇夜汁」と呼ばれた。
ja.wikipedia.org/wiki/トキ
◆ 『大和本草』には、「味よからず」とある。やっぱり焼き鳥にするのは、よしたほうがいいのだろう。