◆ 先日、映画『マンマ・ミーア!』を観たばかりで、ABBA の「スーパー・トゥルーパー」の調べにのせて、♪ウ~パ~、ル~パ~。『週刊文春』にこんな記事。「かつての超人気者ウーパールーパーが今度は食用になる!?」。 ◇ 八〇年代のテレビCMなどに登場し愛くるしい姿で一世を風靡したウーパールーパーが、まったく違うかたちで再び脚光を浴びようとしている。/ 「ウーパールーパーを食用として国内と中国に出荷する計画です」(日本生物教材研究センター社長・林孝之氏)/ 同センターでは、もともとウーパールーパーをペット用として飼育・養殖してきたが、ブームが去ったことによって「食用」という新たな利用方法を考案している。/ 「中国向けは乾燥品、国内向けには生のまま出荷する予定で、すでに数社から取り引きの問い合わせが来ています」(同前)/ ウーパールーパーは学名をアンブリストマメキシカナムといい、サンショウウオの一種。メキシコのごく一部の湖でしか見られない珍しい種で、絶滅危惧種としてワシントン条約で輸出が禁止されているほど。そんなものを食べてもいいの? / 「日本で流通しているウーパールーパーはワシントン条約以前に輸入された個体を国内で繁殖させたもので、法的には問題ありません。メキシコでは昔から不老長寿をもたらすとして食用にされてきましたので、さほど驚くことではありません」(ウーパールーパー専門店「うぱ屋正三郎商店」代表ミウラヒロフミさん)/ ウーパールーパーは幼生の姿のまま成体になってしまう不思議な生き物。顔の左右から飛び出しているエラが幼生の名残だが……。/ 「その珍しい生態が、永遠の若さを保つという迷信に繋がったようです」(同前)/ 果たしてそのお味は、いかがなものなのか?/ 「おいしいですよ。フグとスッポンを合わせた様な淡白な味で、山椒の様なよい香りがします」(前出・林社長)/ 実は、この香りがサンショウウオ(山椒魚)の名の由来。美食家として有名だった北大路魯山人も「オオサンショウウオをさばくと強い山椒の香りが漂った」「肉は非常に美味」などと自著に記している。/ いくら美味でもオオサンショウウオは天然記念物のため食用にはできない。だが、ウーパールーパーなら「一匹八百円でお分けしてます」(前出・林社長)。/ 焼くか煮付けがおすすめとか。興味のある方は、お試しあれ。 ◆ 「ウーパールーパーは学名をアンブリストマメキシカナムといい、サンショウウオの一種」。学名:Ambystoma mexicanum。和名:メキシコサラマンダー。英名:Axolotl(アホロートル)。では、ウーパールーパーというのはなにかというと、正体不明。日本で売り出すためにでっちあげた商用ネーミングらしい。 ◆ 「ウーパールーパーは幼生の姿のまま成体になってしまう不思議な生き物」。いわゆるネオテニー(幼形成熟)。(cf.《松岡正剛の千夜千冊『ネオテニー』 アシュレイ・モンターギュ》)。 ◆ 「実は、この香りがサンショウウオ(山椒魚)の名の由来」。山椒の香りがするから山椒魚? それは知らなんだ。これにはあれこれ異説もあるようだが、すくなくとも魯山人はそう書いている〔らしいが、未読(だと思ったが、買ったような気もしてきた。部屋のどこかに転がっているかもしれない)。以下の引用はとりあえずネットからのコピペ。近日中に確認予定〕。 ◇ 〔・・・〕 頭にカンと一撃を食らわすと、簡単にまいって、腹を裂いたとたんに、山椒の匂いがプーンとした。腹の内部は、思いがけなくきれいなものであった。肉も非常に美しい。さすが深山の清水の中に育ったものだという気がした。そればかりでなく、腹を裂き、肉を切るに従って、芬々たる山椒の芳香が、厨房からまたたく間に家中にひろがり、家全体が山椒の芳香につつまれてしまった。おそらく山椒魚の名はこんなところからつけられたのだろう。 ◆ こんな扱いをされては、さぞかし山椒魚も悲しんだことだろう。いっそのこと、山椒太夫の腹を裂いてやったほうがよかったのではあるまいか? アイツは悪いヤツだから。山椒大夫もサンショの匂いがしただろうか? ◆ 2007年5月4日、山形県最上郡真室川町釜渕。久しぶりに川遊びをした日。サンショウウオの幼生。オオサンショウウオではない。東北地方にいたから、トウホクサンショウウオだろうか? よくは知らない。 |
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