◆ なにを書くにも、時間がかかる。
◆ 台東区下谷の小野照崎神社の絵馬を見て、まずは、ウソ(鷽)のことでもを書こうかと思ったのである。なにしろ、小野照崎神社というのは、
◇ 小野篁を主祭神とし、相殿に菅原道真を祀る。
ja.wikipedia.org/wiki/小野照崎神社
◆ ということなので、菅原道真といえば天神様で、天神様といえば、「ウソ替え(神事)」が有名だから、絵馬の図柄の筆に乗っている小鳥はウソだろうと思ってしまったのである。しかし、よく見ると文鳥だった。こんなことなら、小野篁(おののたかむら)のことでも書いておけばよかったのだが、せっかくなので、ウソの話を続けよう。「ウソ替え」とはなにか?
◇ 鷽替え(うそかえ)とは、主に菅原道真を祭神とする神社(天満宮)において行われる神事である。鷽(ウソ)が嘘(うそ)に通じることから、前年にあった災厄・凶事などを嘘とし、本年は吉となることを祈念して行われる。
ja.wikipedia.org/wiki/鷽替え
◆ 九州の大宰府天満宮をはじめ、京都の北野天満宮、東京の湯島天神など、天満宮(天神)と名のつくところなら全国各地のどこででも行われているのだろう。以下は東京の湯島天神のページから。
◇ 古来より、天神さまゆかりの鳥として親しまれている「鷽」(うそ)は、首からほおにかけて美しい紅色で頭と尾が黒く、背や腹はネズミ色の小鳥です。平素私達が知らず知らずのうちに使う「嘘」を、天神さまの「まこと」に替えていただき、正しい幸運を招く意味から初天神の一月二十五日に、この鷽鳥を木彫りにした「鷽」を新しい「鷽」と取り替える神事が「鷽替え神事」です。
◆ 「首からほおにかけて美しい紅色で頭と尾が黒く、背や腹はネズミ色」なのがウソ。
◆ 以下は久留米の北野天満宮のページから。
◇ 天神様(菅原道真公)は、「うそ」を云わぬ誠の人でありました。それにひきかえ常人は日ごろ時々「うそ」を云って暮らしています。そこで1日だけでも天神様にあやかって誠の心になるようにと、暗闇の中で「木で作ったウソ鳥」を取り替える行事が「うそかえまつり」の起こりです。 「うそ」と天神様の結び付きと申しますのは、蜂の大群に襲われそうになった道真公をウソの鳥が救ったという伝説がありますまた、ウソ鳥の「鷽」の字が学問の「学」の字に似ていることから学問の神様に縁深い鳥とも言われています。
www.kitano.or.jp/tenmanguu/tenmanguutop.htm
◆ 「鷽」と「学」の漢字が似ているというのは、「学」の旧字の「學」を示しておかなければわかりにくいだろう。
◆ というようなことを書こうと思って準備したのだが、絵馬の鳥はウソではなくて文鳥だったのだから、どうしよう? 文鳥も天神様と関連があるのだろうか? 「文」の鳥だから? それとも、いつのまにか、ウソが文鳥にすりかわってしまったのか? もっと調べれば、おもしろい事実もみつかるだろうけど、もう疲れちゃった。
◇ この『鷽替え神事』で使われるウソ像は、神社によってさまざまですが、東京台東区の亀戸天神のそれは、頬ではなくクチバシが赤く見え、まさに文鳥そのものの姿をしています!
www.cam.hi-ho.ne.jp/bun2/mondai/mondai23.htm