◆ 『週刊文春』の「新・家の履歴書」で、作家の小川洋子が語っている。
◇ 廃墟も好きです。少し前に雑誌の企画で夕張炭鉱を巡ったのですが、全部廃墟になっているんですよ。特に小学校が魅力的でしたね。なぜだかわからないけれど、建物が円形なんです。中に入ると、かつてその学校に通っていた何百人もの子どもたちの声が聞こえてくる。そこからイメージが膨らむんですね。小説を書くことは、今はここにいない人、つまり死者について想像することであるのかもしれません。
『週刊文春』(10月23日号,p.93)
◆ 夕張に円形校舎はあっただろうか、と思ってネットでちょっと調べてみたが、見あたらない。美唄の沼東小学校のことだろうか? 円形校舎も調べると奥が深そうなので、さわりだけ。
◇ 「円形校舎」とは、昭和30年代に多く建てられた、円筒形をした校舎のことです。上から見るとドーナツ状で、バームクーヘンを切り分けたような形に教室が配置されています。全国で、約100棟ほど建てられたとも言われています。しかし、現在、その多くが築50年を経て、解体が進んでいます。
www.jmam.net/b/kindai/enkei.htm
◆ 円形でなくても、廃校になった小学校の校舎というのは十分に魅力的なものだろう。
◆ 左。夕張市立青陵小学校。平成2年閉校。6年生で学級委員だった佐藤美樹さんと稲垣圭介くんは、いまどこでなにをしているだろう。生活委員だった本間有紀さんと加藤武志くんは。
◆ 右。栗沢町立万字小学校。平成2年閉校。「みんなで守りましょう」と書かれた手洗い場の注意書き。「えんぴつの太さで出しましょう」「水いたずらは、やめましょう」「カップはふせておきましょう」「じゃ口はきちんとしめましょう」。
◆ その他いろいろ。