MEMORANDUM

  太陽に会ったらよろしく

◆ 「二人のイギリス人が出会うと、まず天気の話を始める」 と、ジョンソン博士は言った。

◇ It is commonly observed, that when two Englishmen meet, their first talk is of the weather; they are in haste to tell each other, what each must already know, that it is hot or cold, bright or cloudy, windy or calm.
Samuel Johnson, The Idler, 1758, Project Gutenberg

◆ イギリス人はいつでも天気の話をしているそうだ。

〔All About:ロンドンで暮らす〕 「イギリス人はよく天気の話をする」……これはよく言われることですね。確かにイギリスでは、会話のきっかけとして、よく天気の話題が出ます。知り合いはもちろん、バス停で隣に立った人なんかとも 「今日はいいお天気ですね」 「雨ばかりで憂鬱ですね」 なんて一言から会話がスタートします。ただし、ここで注意しなくてはならないのは 「天気の話しは、単にキッカケであって、意味のあるものではない」 ということ。「寒いですね~」 と話しかけられたら、いくらあなたがそう思ってなくても 「そうですね~」 と返すのがお約束です。もし 「いや、昨日よりは暖かいですよ」 なんて反論してしまったら、相手は驚いてしまうこと間違いなしです。
allabout.co.jp/travel/londonlife/closeup/CU20061110A/index.htm

◆ イギリス人の国民性の実際についてはほとんど知るところがないので、どうして天気の話をするのが好きなのかはわからないが、上記の引用の 「単にキッカケであって、意味のあるものではない」 という箇所を読むと、やっぱり 「営業トーク」 の一種にすぎないのか、とちょっとがっかりもする。

◆ イギリス人の国民性と天気の話の関連については、《Icons of England:Just Making Conversation》 に多少詳しくまとめられているので参考になったが、そこでも、

〔Icons of England〕 There are rules to weather-related conversations, however. All writers on the subject agree that you must never contradict anybody when discussing the weather, as this would be very bad etiquette. Even if it is snowing outside and someone says, “Nice weather, isn’t it?” you must reply, “Yes, it is!”
www.icons.org.uk/theicons/collection/the-english-weather/features/talking-about-the-weather-nearly-finished

◆ と似たようなことが書いてある。「外は雪でも、いい天気ですね、と言われたら、そうですね、と応えなければならない」。それがエチケットであるそうだ。これではつまらない。

◆ イギリスは雨が多い(ところが多い)そうだ。

神鞭〔常泰〕 英国あたりでもお天気のことはよく云いますね。ブライト・サンシャインなどと云うと大騒ぎだし、田舎へ帰る奴を霧のシーズンにロンドンから送る時に、「太陽に会ったらよろしく」 なんて云うのはいいね。
『内田百閒集成21 深夜の夜会』 (ちくま文庫,p.192)

◆ いいね。そういえば、東京もここしばらく太陽が姿を見せない。

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