◆ 7月12日、中野区中野。曇り空を透かしての夕焼けが、その赤の色が、とてもキレイだった。空を見上げないかぎりはわからない。家路を急ぐひとのほとんどはこの空を見ないだろう。「ほら、空が」 と、だれかれとなく声をかけたくなるが、黙っている。
◆ 天気の話が好きだ。けれど、天気の話など、まったくありふれたものだから、
◇ 〔週刊ゆたんぽ:ユウモア大學校〕 あまり親しくない人とさしあたって会話を始めるとき、あるいは話すことが無くなってしまい間を埋めたいとき、人は時として天気の話をすることがあります。「今日は寒いですね」 「明日は雪になるそうですよ」 「今日の最高気温は40度を超えるそうですよ」 別に天気の話が楽しくて仕方ないわけではありません。また今日の天気が自分の、あるいは相手の人生を左右するわけでもありません。ただただ話すことがないから、当たり障りのない天気話に助けを求めてしまうのです。
www.asahi-net.or.jp/~ur4y-hsn/HUMOUR/weather.html
◆ ワタシには天気の話は楽しい。だけど、
◇ 〔営業のヒント〕 沈黙を恐れるのは一種の本能かと思うほど、人間はしゃべり続けます。むかし私が 「なぜ人は天気の話をするのか。いくら話したところで天気は絶対に変わらないし、今どのような天気であるかをひたすら互いに確認し合うことで何か得られるものがあるのか」 と言ったら怒られてしまいましたが、そのくらい人間は、確かに、しゃべり続けます。
www.ikimono.org/inkyo/sales/sales22.shtml
◆ というようなひともいる(ひょっとして多数派?)。
◇ 〔All About:女性のキャリア〕 「なんだか今日は変な天気ですね。午後からは雨が降るらしいですよ?」 とか、ちょっとした自分の中にある豆知識(この場合 「天気」 について)を披露することが出来るようになったら、それは、立派な雑談力です。
allabout.co.jp/career/womencareer/closeup/CU20070423A/
◆ 雑談力? 天気の話は雑談にすぎない?
◇ 〔萩心理相談室〕 その挨拶に、一言、「どうも、寒いですね」 とか 「ども、いい天気ですね」 などと、天気の話を組み込むのです。これは、営業マンやホスト・ホステスのような人なら誰でもやっていることです。「そうだね」、「そうですね」 という答えが返ってきたら、これだけでも、「つかみはOK」 (古い言い方だけど)です。
www.k5.dion.ne.jp/~fxfyfzfa/keizibanhozon/index-part35.html
◆ けれど、天気の話題が 「営業トーク」 にすぎないのなら、
◇ 苦手な人とは、何を話せばいい? 一番無難なのは天気の話とはよく言われるところだけど、逆に、天気の話をされると、「この人俺のこと苦手なのかな」 と思ってしまう僕。
buzzurl.jp/user/jack-4558/bm/359804
◆ というひとがいてもおかしくはない。
◇ 〔おんなのこのキモチ〕 50代後半の先輩ライターも、会うたびに天気の話から始まる。不思議に思い、彼に聞いたことがあります。「どうして天気の話なの?」 「人と会うときには、いつもそうしているから……」
www.aglia.co.jp/onnanoko/moteru/1wadai.html
◆ 先輩ライターの天気の話を後輩ライターが不思議に思うということ自体が、まず新鮮な驚きとしてワタシにはあったのだ。一日として同じ天気の日はない。今日の天気は 「晴れ」 「くもり」 「雨」、そんな粗雑な分類ではなにも表せない。青空の色合いや雲の具合や海足の音色の微妙な違いを、どうしてもっと楽しめないのだろう? 無難で当たり障りのない話題としてのみ天気の話をするひとたちは、晴れた日には心も晴れやかになったり、雨の日にはちょっと憂鬱になる、そういったことがないのだろうか? とはいえ、先輩ライターの 「いつもそうしているから」 という返事もちょっと情けない。
◆ 引越という仕事をしていて、つくづくよかったと思えることのひとつに、それまで以上に天気と親しくなれたということがある。澄み切った空の元、かく汗は爽快だ。雨の日のどんよりとした気分も、いったん仕事が始まれば、どしゃ降りの雨にびしょ濡れになることで、吹き飛んでしまう。そうして、雨も悪くはないなと思う。台風の一日は、ドラマテイックだ。強風にあおられながら、荷物を運んでいると、自然と闘っていういうヒロイズムが生まれる。そうして台風一過の太陽が顔を出すころには、へとへとになりながら、なんとか自然に打ち勝ったという勝利の美酒に酔いもするのだ。おおげさではある。ビルのなかで一日を過ごすひとにはよくわからないことだろうと思う。梅雨もそろそろ明けるだろうか。