MEMORANDUM

  然別湖のヘビ

◇ 友人と草むらにすわって、「最近はめったに蛇を見ないね」 「うん、昔はどこの家にも家の主の青大将がいたな」 「そうそう、蚊帳の上へどさっと落ちてきたりした」 などと話していた。その時、近くにいた子供が 「おっちゃん、蛇!」 と叫んだ。「うわあっ」 と立ち上がったら、私たちのすわっていた場所をシマヘビがするすると通り過ぎた。
坪内稔典 「蛇」 『季語集』 (岩波新書,p.132)

◆ こんなこともあるのである。

◆ 先月、ワタシも似たような経験をした。6月10日、北海道・然別湖。朝、車椅子のKさんと湖畔を散歩していると、ちょっと変わったデザインのマンホールの蓋があったので、よく見ると、輪になったヘビが(輪のなかにはクチビル山とオショロコマ、輪の右の切れ目には女神)描かれている。なんでも当地には白蛇姫伝説なるものがあるらしい、ということを後日知ったけれども、そのときはそんなことは知らないから、「なんでヘビかなあ?」 と思って、しげしげとそのマンホールの蓋に見入っていたら、背後から 「ヘビ、ヘビ!」 と子どもの声がした。振り返ると、湖へと下りる階段わきの草地(左の写真の左下の緑の部分)を指さして、お母さんに説明している子どもがいた。「ほら、あそこに、ヘビがいるよ!」。ワタシもそのヘビを見ようと、あわてて駆け寄って、しばらく探してみたが、残念ながら見つからなかった。あきらめて、Kさんの元へと戻ったときに、あらためて気がついた。Kさんの胸元にヘビがいた。KさんはヘビのデザインのTシャツを着ていたのだった。Kさんがヘビの化身のような気がした。

◆ ついでに、上の左の写真の湖の背後の山が、マンホールの蓋に描かれたのと同じクチビル山。然別湖のある 《鹿追町》 のホームページを見ると、ちょうど先日、

◇ 7月7日、「第36回白蛇姫まつり」 (町観光協会主催)が然別湖畔で行われました。昔大凶作に苦しんだアイヌの人々を、姫と白蛇がオショロコマの生息する然別湖へ導き飢餓から救った、というのが白蛇姫伝説。まつりは、船に乗った白蛇が湖の沖から現れ、岸に上がり会場へ移動。多くの観光客が見つめる中、幻想的な舞で白蛇姫伝説を表現しました。

◆ 白蛇姫伝説については、「白蛇姫物語」 をどうぞ。

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