MEMORANDUM

  タマネギの涙

◇ タマネギでも切ってみようか。いや、タマネギはよそう。タマネギを刻むと涙が出る。なにも料理見習いのはじめから涙を流すことはないではないか(私はタマネギを刻むときには水泳用のゴーグルをしてマナ板に向かうことにしているが)。
玉村豊男 『男子厨房学入門』 (中公文庫,p.48)

◆ そう、タマネギを包丁で切ると涙が出る。たしかにワタシにもそんな経験がある。けれど、それも遠いむかしのハナシだ。近年はダラクした生活にもずいぶん磨きがかかってきて、自分で調理をすることもほとんどなくなった。週に一度、火曜日、ヘルパーとして車椅子のKさん宅にお邪魔して晩御飯を作るとき以外は、包丁を握ることもなくなった。とはいえ、週に一度とはいえ、タマネギは、いつでも冷蔵庫に残されているものだから、ほぼ毎週、包丁で切っている。今週も切って、カレーに入れた。でも、涙が出ない。先週も、先々週も。ワタシの涙は、自堕落な生活の果てに、もう涸れはててしまったのだろうか?

♪ 今はこんなに悲しくて
涙も枯れはてて もう二度と笑顔には
なれそうもないけど

中島みゆき 「時代」 (作詞:中島みゆき)

◆ そう思うと、ちょっと悲しい。などと、とってつけたような感傷にひたっていたら、おともだちののんちゃんからメールが来た。

◇ 玉ねぎね。コンタクトをしてたら涙はでません。うっかりメガネで玉ねぎ切って滝の様に涙が出て慌ててコンタクトを着けた事があります。(笑)

◆ そういえば、ワタシもコンタクトレンズをしているのだった。つまりは意識することなく、いつも 「ゴーグル」 をしてタマネギを切っていたのだった。なんだ、そうだったのか。

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