MEMORANDUM

  夏が来る

◆ 7月になった。ラニーニャ現象(La Niña)とかで、今年の夏は暑いらしい。さて、どうなることだろう?

◇ 夏じゅうは団扇(うちわ)を使うのと、汗を拭くのとで、両手がふさがっていたから、原稿が書けなかった。
内田百閒 「錬金術」 『内田百閒集成5 大貧帳』 (ちくま文庫,p.54)

◆ と、なんともスゴイ文章を書くひとがいたものである。原稿が書けないとどうなるか?

◇ それで見る見る内に身辺が不如意になり、御用聞や集金人の顔がささくれ立って来た。

◆ そりゃそうだろう。で、しかたなしに百鬼園先生は原稿を書いたかというと、これが書かない。ではどうしたか?

◇ 仕事をする時候ではないけれど、お金はいるので、錬金術を行う事にした。

◆ 錬金術とはなんのことかというと、

◇ 原稿料の前借りをしたり、印税の先払いをして貰ったりした。

◆ それで、こと足りたのかというと、

◇ しかしそうして心を千千(ちぢ)に砕いて見ても、矢っ張り足りない。

◆ ふと、「アリとキリギリス」 の物語を思い出して、ちょっと考える。

〔Wikipedia〕 夏の間、アリたちは冬の間の食料をためるために働き続け、キリギリスは歌を歌って遊び、働かない。やがて冬が来て、キリギリスは食べ物を探すが見つからず、アリたちに頼んで、食べ物を分けてもらおうとするが、「夏には歌ってたんだから、冬には踊ったらどうだ?」 と断られる。
ja.wikipedia.org/wiki/アリとキリギリス

◆ ワタシにはなんの(錬金術師的)才能もないので、いまさらキリギリスに憧れたりはしない。働きアリでもいいけど、ただ夏と冬を取り換えてほしい。アリだって一年中働いていたわけではない。冬になったら、死にものぐるいで働くから、とりあえず夏はひと休みしたいなあ。とまあ、そんなことを暑い夏が来る前に思ってみたのでした。やれやれ。

♪ 夏が来る きっと夏は来る 頑張ってるんだから絶対来る
大黒摩季 「夏が来る」 (作詞:大黒摩季)

◆ 来なくていいよ!

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