◇ 蔵の前を歩いて、軒先にぶら下がった巨大な玉を見たことがある人もいるはず。一見して蜂の巣か、マリモのおばけにしか見えないあの不思議な丸い玉、一体何だか知っていますか?
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◆ 2007年3月22日、仕事で寄った上総湊という町の酒屋で 「不思議な丸い玉」 を見かけた。正確に書けば、その玉をめざとく見つけたのはワタシではなく相棒だった。ワタシはその酒屋の建物に惹かれて写真を一枚トラックの中から撮っただけで満足したのだったが、帰途についてしばらくしてから、相棒がこう言った。
◇ 「さっき Saturnian さんが写真を撮っていた酒屋にあった蜂の巣みたいなの、なんだか知ってます?」
◆ えっ、そんなものがあったとは、まったく気がつかなかった。なんでも、相棒に言うには、先日たまたまテレビで杉玉のことを説明していたのを憶えていたから、目についたのだそうだ。ワタシも先日、会津若松を訪れたさいに、観光パンフレットかなにかで杉玉のことを読んだばかりだった。ということで、さっそく来た道を戻って、酒屋の杉玉をしっかりと見直して、ついでに地酒を買った。この酒屋は小泉酒店といって、造り酒屋ではないが、「蔵出し直売店」 とあって、数キロ先にある小泉酒造とは親戚関係であるそうだが、蔵元を訪れるには残念ながら時間が遅すぎた。
◆ (造り)酒屋の軒先に吊るされた杉玉は酒林(さかばやし)とも言う。酒林ではない杉玉があるのかどうかは知らない。
◇ さかばやし 【酒林】 杉の葉を束ねて球状にし、軒先にかけて酒屋の看板としたもの。杉玉。さかぼうき。酒旗(さかばた)。杉林。ほて。〔奈良三輪山の大神(おおみわ)神社が酒の神とされ、杉が神木であることから〕
三省堂 『大辞林 第二版』