◆ ピカソの 「泣く女」(1937)。モデルは当時の愛人のドラ・マール。《Wikipedia》 によれば、 ◇ Henriette Theodora Markovitch alias Dora Maar (November 22, 1907 – July 16, 1997) was a French photographer and painter, best known for being a lover and muse of Pablo Picasso. ◆ 父はクロアチア人、母はフランス人。フランスで生まれ、アルゼンチンで育つ。で、「泣く女」。 ◇ 〔・・・〕ドラ・マールがモデルの 『泣く女』 なんて、いったい何の恨みがあればこんなひどい描き方ができるのか? と思われるほど恐ろしい醜さだ。写真のドラはエキゾチックな美人なんだけど、絵のほうが有名になってしまった以上、『ゲルニカ』 の製作過程を撮影した彼女も、末代まで子供たちに笑われ続けるだろう。 ◆ 上記の引用は 《偉人道》 というサイトから。さらに続けて引用すると、 ◇ ピカソは言った。「私にとってドラは、常に泣く女だった。だから彼女を泣く女として描いたのだ」 そしてさらに、こう付け加えている。「女性は苦しむ機械だ。私は本質を捉えたわけだ」 ◆ この 「女性は苦しむ機械だ」 というコトバの出典が知りたくなって、ネットで検索したら、 ◇ “Les femmes sont des machines à souffrir”, experter på att lida, så ungefär har Picasso uttryckt sig i samtal med Malraux. ◆ と、いきなりスウェーデン語のサイトがヒットしてしまって、これでは皆目わからないので、さらにウェブ翻訳をしてみると、どうやら、作家のアンドレ・マルローがピカソから聞いたハナシとして、どこかにそう書いているらしい。“Les femmes sont des machines à souffrir”、「女性とは苦しむ機械である」。フランス語の “machines à souffrir” (苦しむ機械)の部分をスウェーデン語で “experter på att lida” (experts on suffering)、「苦しむことの専門家」 と補足的に訳しているのは、やはり 「機械」 (machine)という表現が奇抜だったせいだろうか? 英語で、「苦しむ機械」は、“machine for suffering” あるいは “suffering machine”。「泣く女」 ドラ。だが、彼女を泣かしたのは誰なのか? ◇ But who made her cry? (“Women are machines for suffering,” he once remarked.) ◆ ワタシはピカソではないので、女性が苦しむ機械であるかどうかはわからないが、「苦しむ機械」 などというコトバにたどりついたのは、もちろん、先だってのこと、女性を “birth-giving machines”、“child-bearing machines”、あるいは “machines à faire des enfants” に例えた Yanagisawa とかいう大臣がいたからで、これが問題発言であることはワタシにでもわかって、大いに憤慨しもしたのだが、よくよく考えると、この 「産む機械」 というコトバのどこが問題なのかがいまひとつわかっていないということに気がついて、愕然とした。まったく間の抜けたハナシだが、ワタシは単に 「機械」 というコトバがよろしくないのかと思っていただけだったのだが、あれこれのコメントを目にするにつけ、どうやらそうではなくて、むしろ 「産む」 というコトバの方に問題があって、こちらはもっぱら 「産む/産まない(産めない)」 の対比において問題にされているのらしかった(Takaichi とかいうこれまた大臣の、「私は“broken product”か?」 という発言など)。もちろん、「産む+機械」 の両方が問題なのだろうけれども。 ◆ ふたたび、《Wikipedia》 からドラの記述。 ◇ Dora Maar became the rival of blonde Marie-Thérèse Walter who had given a daughter named Maya to Picasso. Picasso often painted beautiful sad Dora (she suffered because she was sterile) and called her his "private muse." ◆ “she suffered because she was sterile”。ああ、彼女もやはりまた! ◇ Ha ha ha c'est ça si je suis un machine à faire des enfants alors mon mari est une machine à faire de l'argent... ;) lol ◆ 「ワタシが子どもを産む機械なら、ダンナは金を産む機械ってことに・・・(笑)」 ってなハナシでは、どうやらすまないらしい。やはり、わからないコトには口をつぐんでいるべきなのだろう。 |
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