MEMORANDUM

  予後不良

◇ 競馬好きには二種類ゐて、それは一年の競馬を有馬記念で締め括るヒトと東京大章典で締め括るヒト、
kermit.pos.to/fozzie/archives/2005/12/post_203.html

◆ 中央競馬はディープインパクトが快勝した有馬記念で一年の幕を閉じたが、地方競馬に休みはない。年末は大晦日までやっているし、新年は元日からやっている。12月29日、中央交流のGI東京大章典の日。仕事を半ドンで終わらせ、餅代でも稼ごうと大井競馬場に出かける。ワタシが軸馬にしたのは、JRAのハードクリスタル。単勝6番人気の人気薄。この馬から手広く流す。当たるとデカイ。そんな獲らぬタヌキの皮算用をしているときが一番楽しかったりもするのだが、結果は、いつもと同じである。勝ったのはブルーコンコルド(JRA)。2着には、

◇ 単勝9番人気の伏兵クーリンガーが、積極的な競馬でシーキングザダイヤを競り落とし、大波乱を演出した。
www.nikkansports.com/race/p-rc-tp0-20061230-136631.html

◆ 配当は馬連複 28,510円。あ~あ。中央から参戦した5頭のうち4頭が、4着までを独占。残る1頭がワタシが軸馬にしたハードクリスタル。まったく見せ場もなく7着に惨敗。あ~あ。

◆ それから数日後。スポーツ新聞にこんな記事が載った。「ハードクリスタルが予後不良に」。

◇ 29日の東京大賞典・交流G1(大井)で7着に敗れたハードクリスタル(牡6歳、栗東・作田)は、レース後のレントゲン検査で右第3手根骨骨折と診断され予後不良となった。
www.daily.co.jp/horse/2006/12/31/0000204666.shtml

◆ あ? レース中に骨折していたのか? それなら仕方がない。馬が餅に見えていた自分を少し反省する。それにしても予後不良とは・・・。ちょっと悲しい。

◆ 予後不良といっても、競馬を知らない方にはあまり縁のないコトバだろうから、すこし解説。予後不良とは、競馬においては、人間にたいして用いられる、

◇ 病気の経過や結末の予測がよくないこと。回復する見通しの少ないこと。
小学館『大辞林』

◆ という意味ではない。予後不良とは、

◇ 競走馬については治療の余地がない故障や病気による不可避的殺処分(安楽死)をオブラートに包んだ言葉。
d.hatena.ne.jp/keyword/予後不良

予後不良(よごふりょう)とは競馬用語の一つ。主に競走馬が競走中や調教中などに何らかの原因で主に脚部に故障を発生した際、回復が極めて困難で、薬物を用いた安楽死の処置が適当であると診断された状態の婉曲的表現。
ja.wikipedia.org/wiki/予後

◆ つまり、新聞記事の「予後不良となった」という表現は、即「安楽死処分になった」という意味なので、「予後不良となった」馬が、「懸命の治療により一命をとりとめた」などということは、残念ではあるけれど、ほとんどありえない。JRAの表現はこうである。

◇ 平成18年東海テレビ杯東海ステークス(GII)に優勝したハードクリスタル号(牡6歳【当時】 栗東・作田誠二きゅう舎)は、平成18年12月29日に行われた東京大賞典(大井競馬場)の競走中に故障を発症し、死亡しましたのでお知らせいたします。なお、同馬は平成18年12月29日付けで競走馬登録を抹消されております。
www.jra.go.jp/news/200701/010506.html

◆「競走中に故障を発症し、死亡しました」、こんな表現も競馬を知らないひとにとっては、ピンとこないだろう。

◇ 競馬の馬が骨折した場合は、ほとんど薬殺で処分されるようですが、そんな競馬を見て感動したという人が多数いますが(芸能人にも)何に感動するのでしょうか。無理に競争させて下手をすれば怪我をさせて薬殺してしまうのに理解できません。
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail.php?qid=1310382903

◆ もちろん、このように思うひとがいても不思議ではない。

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