MEMORANDUM

  STILL ALIVE

◆ 大晦日にあわてて年賀状を作成した。時間もないので、去年撮った写真から適当に一枚を選んで、それに 「STILL ALIVE 2007」 と文字を入れた。まだ青々としている落ち葉を見ていると、そんなコトバが浮かんだのだった。なぜこの葉っぱは枝から落ちてしまったのだろう? なにかの間違い? きまぐれ? それとも自分の意思で? その他大勢の枝にしがみついている葉っぱたちの 「ひとりで生きてはいけないよ」 という嘲笑を背に受けながら、自らの意思で枝から離れていった一枚の葉っぱ。まさか。どんな理由があったにせよ(なかったにせよ)、それでも、まだ葉っぱは生きている。そんな気がした。葉脈というコトバなんかも思い出しつつ。いいかげんなワタシの来し方にもちょっぴり重ね合わせつつ。

◆ 年賀状っぽくない色彩であることを除けば、短時間で作ったわりにはわるくない出来だと満足し、急いでポストに投函したあとに、喪中だったことに気がついた。

◆ 正月、実家に帰省中、ふと思い立って、となりに住んでいたおっちゃん、岩本敏男の 『赤い風船』 を読み返す。その著者略歴にはこうあった。

◇ ちらちらと雪の降る日に生まれる。立命館大学〈定時制〉文学部国文科に入学したが、すぐやめる。以後、病気。左肺と肋骨四本を失う。まだ生きている。
岩本敏男 『赤い風船』(理論社,1971)

◆ おっちゃんは2002年に亡くなったけれど、そのコトバはまだ生きている。妙な一年の始まり。今年もよろしく。

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COMMENTS (1)

ritta - 2008/01/06 11:49

はじめまして。
岩本さんの本を探していてここにたどり着きました。

2002年にお亡くなりだったんですね。
私の両親は若い頃岩本さんと親交があり
確か私が小学生の頃までは、
新刊が出ると送っていただいておりました。
私自身はお会いした事はありませんでしたが
“岩本さんのおっちゃん”と親しく想わせて頂いてました。
父が亡くなり、母も昔の友人達と疎遠になっていましたが
時折「岩本さんどうしてはるんかなぁ」と。

私には今年息子が生まれ、色々な絵本を見ているうちに、
まだ読んでいない岩本さんの本を探そうって思って検索してたんです。

私の心の中にも岩本さんのお話は生きています。
息子が大きくなったら、いろいろ読ませたいです。


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