MEMORANDUM

  光月湯

◆ 東京浴場組合の 《最新銭湯マップ発行後の廃業浴場》 のリストによると、今年の11月9日現在で、「最新銭湯マップ発行」 以降、都下の銭湯が215軒廃業したということだ。なるほど。いやいや、最新の銭湯マップがいつ発行されたかがわからないとハナシにならなので、調べてみると、どうも2002年版が最新であるようだ。ということは、この4年間で一度も銭湯マップの改訂がされていないのか・・・、とコチラの事実に驚いている場合ではない。驚くべきなのは、4年間で200軒以上の銭湯が廃業に追い込まれていることで、これは、風呂なしアパートに住んでいるワタシにとっては、死活問題である。とは、ちと大げさと思われるかもしれないが、内風呂がないということは、ワタシのアタマのなかでは、即 「銭湯はみなワタシのものだ」 ということを意味するので、少しも大げさなハナシではない。ワタシの資産がつぎづぎと勝手に減じていくのは、実に腹立たしい限りである。少なくとも、ワタシの許可を取ってからにしてほしい。

◆ 先日も、ふらりと別荘にでも行く気分で、台東区入谷にある光月湯に赴いたところが、開いていなかった。定休日が変わったのかとも思ったが、「次の定休日は」 のあとに文字はなく、してみると、永遠に定休日になってしまったのだろう。その下の 「さわやかに・・・今日の疲れを・・・流しましょう・・・」 というコトバが白々しい。

◆ とはいえ、この光月湯には一度しか入ったことがない。2005年3月15日 のことだ。なかな気に入ったので、それ以降も訪れようとしたが、道に迷ってたどり着けなかったこと数回。なんとかたどり着いたが時間がなくなってしまい、下足箱を写しただけで帰ったこと一回(2005年10月18日)。それくらい目立たないところにあるのである。そもそも初めて行ったのも、この辺りをぶらついていてたまたま見つけたのだった。そして入るのには多少の勇気が必要だった。

◇ マンションも目立つ下町に、ひっそりと忘れ去られたように佇むレトロな銭湯。周りの喧騒の中で、ここだけ時間が止まっているようである
www21.ocn.ne.jp/~spa-mich/todofuken/tokyo/063_kogetsuyu.htm

◆ そして、ほんとうに時間が止まってしまった。今年の8月27日のことらしい。

◇ もうすぐ廃業という話を聞いて、今回は何かのついでではなく、光月湯に入るために、入谷までやってきました。(中略) 好きだった銭湯がなくなるというのは、本当に寂しいものです。私とて日常的に通っていたわけではないのですが、かっぱ橋あたりに来るたびに寄っていたので、かなり愛着のある鉱泉銭湯でした。これも時代の流れで仕方のないものなのかもしれません。最後にご主人と女将さんにお礼を言うことが出来てよかったです。今まで本当にお疲れ様でした。そして、度々の入浴、本当にありがとうございました。光月湯の建物はなくなっても、この近くに来るたびに思い出すことでしょう。
yudetako.com/kougetsuyu.html

◆ さいわい建物自体はまだなくなってはいないので、運がよければ(?)、中に入れて、浴場床の亀甲タイルを見ることができるかもしれない。

◇ ここの銭湯を訪問した最大の理由は、正六角形の白い亀甲タイルがあるから。床は亀甲タイル。男女境側の入浴道具を置く台には竹割タイルもある。いずれも新しい銭湯では見ることができない。
www7a.biglobe.ne.jp/~masayuki/kougetsuyuiriya.html

◆ 亀甲タイル? 写真を見直すと、たしかに正六角形の白いタイルが写っている。撮ったときには、もちろん亀甲タイルの存在に気がついていたはずもない。まったく写真というのはおそろしいものだ。

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