◆ 札幌に5年も住んでいたというのに、北海道のことはなにも学ばなかったに等しい。大学生というのは概して頭デッカチなものだが、空気のように暮らしていた気がする。身の回りのことにはほとんど興味がなかった。デレッキもオンコも、輓馬も炭住も、当時はなにも知らなかった。 ◆ おともだちの 《rainer さん》 が、オンコについて書いている。 ◇ かつて暮らしていた家の庭にも、オンコの大木がありました。秋になると赤い実をたわわにつけてくれます。つい食べたくなるでしょう?(でも緑色の核の部分は噛んではいけません。 ◆ 北海道生まれの友人もやはり、子どものころ、庭のオンコに登って遊んだり、その実をおやつ代わりに食べたという。ワタシにはそんな懐かしく思い出せる思い出はない。そもそもオンコの木というものを知らなかった。あちこちにあったはずなのにまったく目にした記憶がない。知らないものは見えないものだ。 ◇ 北海道では庭にたくさん植えられていて、庭木の中心的存在である。果実は甘くて美味しいので、子供のころに庭木に登ってよく食べたが、今は食べているのをあまり見かけなくなった。 ◇ 小学生の頃、学校への通学路の途中にオンコの木があって、実が生る時期にはよく食べたものである。子供ながらに、その甘くとろっとした食感に妙に戸惑ったのを覚えている。この実は食べ過ぎるとダメらしい‥‥。 ◇ オンコの実の果肉はとても甘~くて、子供のころに結構食べた記憶がある。もちろん野鳥たちにも大好評で、実が熟すとたくさんの野鳥がやって来る。ヒマワリ大好きのシメでさえ、エサ台のヒマワリをシカトしてオンコの実にご執心だ。 ◇ 小さい頃は、いいオヤツだったのに、今は食べても美味しいと思わなくなった。ちょっと寂しい感じかな・・^^; ◆ この 「今は食べても美味しいと思わなくなった」 という文章さえ、ワタシにはうらやましく思えてしまう。幼時の記憶がなければ、寂しくも感じはしないのだから。 ◇ オンコの実は、種の周りにうすい真っ赤な果肉がついている。とろみのある、ほのかな甘み。小さいころ、隣の家に背の低い大きなオンコの木があり、みんなでおやつ代わりにたくさん食べた。しかし、いくらたくさん食べても、地面が種で一杯になる割には、お腹はまったくふくれることはなかった。 ◆ いまからでは遅すぎるのだろう。こんなことを夢想してみる。どこかに魔法のオンコの実があって、その実を食べたら、存在しなかったはずの 「遠い昔の、甘酸っぱい、懐かしい思い出」 がワタシにも次々とよみがえる。そんな魔法のオンコの実は、どこかにないか? ◆ 最後に、「オホーツクの日刊紙」 北海民友新聞(本社:紋別市)のサイト 《みんゆうWeb》 内、小野哲社長のコラムから。 ◇ 庭のオンコの木に赤い実がいっぱい付き、秋の深まりを感じさせてくれる。フッと子供の頃を思い出した。あのオンコの実を夢中になって食べた日々のことを…▼お菓子など自由に手に入らなかった時代。もちろん小遣いなどない小学生時代。秋になると、近所の庭に赤いオンコの実が太陽の光を浴びて艶々と輝き、とても魅力的だった。口に含むと、甘い少しの液体がフワーと広がってきて、一粒一粒食べ続けた▼友達と一緒に「こんにちわ、オンコの実食べさせて」とお願いして、種をプッと飛ばしながら、おやつ代わりにしたものだ。時には無断で木によじ登り、その家の人に怒られたこともあった ◆ ああ、まったくウラヤマシイ。 |
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ありがとう!
rainer さん、
どういたしまして。