◆ ひとつ前の文章にワタシは 「ぼくは、もうここには」 というタイトルをつけた。これは適当なタイトルを思いつけなかったために、冒頭の数語をもってタイトルに代えたという次第だが、こういうのを 「インチピット」 というのだそうで、 ◇ 『平成三年五月二日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに』 というのは、石黒達男の小説につけられたタイトルである。書き出しの文句をタイトルにしたものは、「インチピット incipit」(「~と始まる」 という意味のラテン語)と言い、オペラのアリアの呼び名に見られる馴染みのものだが、 ◆ ラテン語というのであれば、あるいは 「インキピット」 というべきかもしれなくて、 ◇ 中世写本の冒頭は、ラテン語の incipit という言葉で始まりました。incipit ... は英語では here begins ... と訳され、「ここに・・・が始まる」 という意味になります。この文章をインキピットと呼びます。 ◆ インチピットでもインキピットでも(あるいはインシピットでも)、無題よりはいいと思う。 |
このページの URL : | |
Trackback URL : |
おかげさまでndl.go.jpのサイトを久しぶりに見学しました。ありがとう。
rainer さん、
どういたしまして。