MEMORANDUM

  インチピット

◆ ひとつ前の文章にワタシは 「ぼくは、もうここには」 というタイトルをつけた。これは適当なタイトルを思いつけなかったために、冒頭の数語をもってタイトルに代えたという次第だが、こういうのを 「インチピット」 というのだそうで、

◇ 『平成三年五月二日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに』 というのは、石黒達男の小説につけられたタイトルである。書き出しの文句をタイトルにしたものは、「インチピット incipit」(「~と始まる」 という意味のラテン語)と言い、オペラのアリアの呼び名に見られる馴染みのものだが、
佐々木健一 『タイトルの魔力』 (中公新書, p.26)

◆ ラテン語というのであれば、あるいは 「インキピット」 というべきかもしれなくて、

◇ 中世写本の冒頭は、ラテン語の incipit という言葉で始まりました。incipit ... は英語では here begins ... と訳され、「ここに・・・が始まる」 という意味になります。この文章をインキピットと呼びます。
www.ndl.go.jp/incunabula/glossary/glo_02.html

◆ インチピットでもインキピットでも(あるいはインシピットでも)、無題よりはいいと思う。

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COMMENTS (2)

rainer - 2006/04/17 00:42

おかげさまでndl.go.jpのサイトを久しぶりに見学しました。ありがとう。

Saturnian - 2007/07/05 22:55

rainer さん、

どういたしまして。

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